art/design

「出会い」の愉しみ〜東京蚤の市

東京・立川市の国営昭和記念公園ゆめひろばで開催された「第19回東京蚤の市」に行ってきた。 東京蚤の市もこのところ開催ごとに行っており、すっかり最近の私たち夫婦の恒例行事になってきた感がある。 tokyonominoichi.com 「アンティーク」よりも「ブロカ…

ハマスホイとドライヤー、都市の孤独

下高井戸シネマにて、映画『ゲアトルーズ』"Gertrud"を観た。デンマークの映画監督カール・テオドア・ドライヤーCarl Theodor Dreyerによる、1964年公開作品。全編モノクロである。私は寡聞にして全く知らなかったのだが、「カール・テオドア・ドライヤーセ…

【映画記録】装幀者の姿

下高井戸シネマにて、映画『つつんで、ひらいて』(2019年)を観る。新型コロナウイルス禍による営業自粛などの影響もあって、映画館で映画を観るのはほぼ4か月ぶり。やはり映画館で、大きなスクリーンと本格的な音響設備のもとで映画を鑑賞するのは、本当…

【読了記録】芸術人類学とは

(写真は2014年7月19日に、アイルランド・ダブリンの国立考古学・歴史博物館(National Museum of Ireland Archaeology & History)にて撮影) 鶴岡真弓編『芸術人類学講義』(ちくま新書)を、この日に読了した。 芸術人類学講義 (ちくま新書) 発売日: 2020/…

「サステナブル」なアートの在り方

6月16日に、木場にある東京都現代美術館に行き、企画展「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」"Olafur Eliasson: Sometimes the river is the bridge"を観てきた。 www.mot-art-museum.jp 当初は今年の3月から開催される予定だったが、新型コロナ…

【読了記録】目利きになる

白洲信哉著『美を見極める力 -古美術に学ぶ』(光文社新書)を読了。 美を見極める力 古美術に学ぶ (光文社新書) 作者:白洲 信哉 発売日: 2019/12/17 メディア: 新書 父方の祖父母は白洲次郎・白洲正子夫妻で母方の祖父は小林秀雄という、まさに「日本美意…

【読了記録】美意識の値段

親不知にかなり大きい虫歯が見つかってしまい、治療できない部位なので抜くしかないということで、本日泣く泣く親不知を抜歯してきた。 今日は一日安静にしていなくてはならないので、リヴィングのソファで寛ぎながら読書に勤しんだ。 おかげで、軽めの新書…

静謐なるものの名前よ、そなたの名は。

曇り空のイマイチな天気だったが、上野の東京都美術館に行き、企画展「ハマスホイとデンマーク絵画」の二度目の鑑賞。前回の鑑賞(2020年1月30日の日記参照)の際に会場構成と注目すべき作品は既に把握済みで、かつ購入した図録も完読したので展覧会への理…

静謐の世界、再び

満を持して、上野の東京都美術館で開かれている企画展「ハマスホイとデンマーク絵画」を観てきた。会期初めの比較的空いている時期だったのでそれほど混んでおらず、ゆっくりと観られたのはよかった。 1987年に、今は亡きセゾン美術館で開かれた「北欧の美術…

ゴシック写本の小宇宙

上野・国立西洋美術館の常設展示エリア内にある、版画素描展示室において開催中の小企画展『内藤コレクション展「ゴシック写本の小宇宙――文字に棲まう絵、言葉を超えてゆく絵」』を観てきた。 内藤コレクション展 ゴシック写本の小宇宙|国立西洋美術館 数十…

セーヌの貴婦人よ

朝起きて、パリのノートルダム大聖堂が火災で深刻な被害に遭ったという知らせに接し、暗澹たる悲しみに包まれた。なんという悲劇。13世紀に建造されて以来700年以上の間、数度の革命も二度の世界大戦も乗り越えてパリの市民と苦楽を共にしてきた、ゴシックの…

土と星

国立新美術館で開催中の企画展『イケムラレイコ 土と星』"Leiko Ikemura: Our Planet"を観てきた。会期末が近づいて少々焦ったが、見逃さずに済んで本当に良かったと思える展覧会だった。 http://www.nact.jp/exhibition_special/2018/Ikemura2019/ 現代美術…

モモンガ好き

夕方から、おなじみ「世田谷233」に行き、この日『着物コモノ連』が主催する『キモノで梅酒』イベントに参加してきた。まあ私たち夫婦は着物は着なかったのだが、梅酒は好きなので……。 実はイベント自体もさることながら、その『着物コモノ連』が同じ世田…

世田谷アートフリマ

本日と明日、2日間にわたって三軒茶屋のキャロットタワー「生活工房」にて開催されている、世田谷アートフリマ。 「世田谷アートフリマ つながり展」に出展している関係もあって、本日数年ぶりに、妻と一緒に訪れてみた。 その場にいるだけで楽しい気分にな…

ノルウェー5日目・Urnes Stavkyrkje

今日はウルネスの木造教会Urnes Stavkyrkje(Urnes Stavkirke、英語ではUrnes Stave Church)を訪れる。こちらは、昨日行ったボルグンの木造教会よりほんの少し先に作られ、ノルウェー最古の木造教会として世界遺産に登録されているほどなのだが、(特に自家…

ノルウェー4日目・Borgundの木造教会

ホテルでひと休みしてから、タクシーを呼んでもらって、ボルグンBorgundの中世の木造教会stavkirke(stavkyrkjeとも。英語ではstave church)を観に行く。この木造教会も我々夫婦は6年前に一度観に来て、ものすごく感銘を受けたのだが、あのときは曇り空だ…

阿修羅のジュエリー

鶴岡真弓さんの好著「阿修羅のジュエリー」を、本日読了。 かの「阿修羅展」(4月12日の日記参照)を契機として、世の中の阿修羅ブーム・仏像ブームにあやかるように、阿修羅や仏像を扱った雑誌や書籍がこれでもかと書店店頭に並んでいるが、この本も阿修羅…

日本の自画像

雨も昼には上がり、雲間から青空が覗くように(写真)。けっこうひんやりした、いい感じの外出日和になった。 妻と自転車で砧公園へ。公園内の世田谷美術館で、タダ券を持っていた「日本の自画像」展を観る。 展覧会名から、日本人画家の自画像の展覧会かと…

瞑想する絵画

画家の友人・goikenさまに誘われて、goikenさまの車で、私の妻と3人で千葉県佐倉市にある川村記念美術館(写真)へ行く。この美術館で開催中の「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」展がすごく観たかったのだが、さすがに世田谷から佐倉までは遠いなあと思ってい…

私のおばあちゃんたち

今日は、夕方に夕食と所用を兼ねて私の実家へ寄った。 が、その前に微妙に時間が空いたので、天気もいいし、妻と自転車を飛ばして中目黒へ。さらに歩いて恵比寿ガーデンプレイスへ行き、東京都写真美術館で開催中の「やなぎみわ マイ・グランドマザーズ」を…

・・・のごとく

上野の東京国立博物館・平成館で開催中の、たいへんに話題の「国宝 阿修羅展」を、妻と観てきた。 最初は「奈良の興福寺国宝館に行けばいつでも(は大げさか)観られるものを、何でそんなに大騒ぎするの〜?」とバチ当たりなこと(笑)を思っていた私だった…

「アーティスト・ファイル2009」

表参道からさらにぶらぶらと散歩。青山墓地を抜けて、乃木坂へ。国立新美術館に至る。 今日も新美術館は、抜けるような青空の下で気持ちよくうねっている。 国立新美術館で開催中の「アーティスト・ファイル2009」を妻と観る。昨年観た第1回の「アーティス…

ウドと玉葱

よく晴れて、気持ちのいい、穏やかな土曜日。沈丁花の香りが春を呼ぶ心地。 午後は妻と銀座へ。こういういい日和には、銀座は大勢の人で溢れている。散歩日和、"銀ブラ"日和だ。 「銀座洋協ホール」に行き、"西山光沙とその仲間たち"による「成城 花のアトリ…

静かなモノクローム

仕事の昼休みの時間に、神保町の「gallery福果」へ。ここで開かれている「二月空」さんの写真展「かんのん」が明日までの開催だったので、観ておきたかったのだ。 モノクロームの小さな四角い写真が、ゆったりと余白を取った木の額に入って、ぽつぽつと展示…

原研哉デザイン展:本

実は今日吉祥寺を訪れたのには一応主目的があった。吉祥寺伊勢丹にある武蔵野市立吉祥寺美術館にて、私が最も好きなデザイナーである原研哉さんの装丁デザインを集めた「原研哉デザイン展:本」が開催されており、原さんのデザインの大ファンである私として…

感性と経験の旅路

肌寒い曇り空の祝日。 妻と一緒に自転車で砧公園に行き、世田谷美術館で開催中の展覧会「十二の旅:感性と経験のイギリス美術」"Twelve Travels: British Art in Sensibility and Experience"を観る。「旅」をテーマに12組の英国出身もしくは英国在住のアー…

ガーリーではない

休みに入ったとたんに朝寝坊になってしまった。 が、せっかくのタダ券を無駄にしたくなかったので、午後遅くに妻と一緒に初台に行き、東京オペラシティアートギャラリーにて、本日が最終日の「蜷川実花展」を観てきた。新宿方面に来るのは本当に久しぶりだっ…

再びハンマースホイ

かなりお疲れモードだったが、天気もいいし、がんばって妻と一緒に上野へ。 国立西洋美術館で、「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」展"Vilhelm Hammershoi: The Poetry of Silence"を二度目の鑑賞。本日が最終日だったので、なんとか滑り込めまし…

かつて大好きだった

昨日のGoogleトップページのロゴが、ベルギーのシュールレアリズム画家ルネ・マグリットRuné Magritteの絵のモチーフをあしらった特別ロゴになっていた。 なかなかマグリットの絵の雰囲気がよく出ていて、かわいらしいロゴになっていたが、昨日はマグリット…

誰もいない風景

仕事の昼休み時間を利用して、神保町の「ギャラリーメスタージャ」Gallery Mestallaというギャラリーで開催されている、大畠まゆみさんの写真展"Fallow fields"を観る。 大畠まゆみさんの写真はかつて、ほぼ3年前に一度だけ観たことがあったので(2005年10…