英国の心、うさぎたちの心意気

studio_unicorn20070208

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈下〉 (ファンタジー・クラシックス) ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)
 改訳新版「ウォーターシップ・ダウンのウサギたち」(リチャード・アダムズRichard Adams著)を、本日読了。
 素晴らしい物語は、何度読んでも素晴らしい。この感動は、小学生のときに読んだときも今も変わらないね。ラストには、本当に何度読んでもジーンとくる。これこそ、間違いなく動物叙事詩の最高傑作のひとつだ。
 購入したときには旧版との違いがいろいろと気になってはいた(2006年9月20日の日記参照)。が、読み進めていくうちに物語に没入して、多少の違いはあまり気にならなくなっていた。
 だがそれでも、明らかに旧版と訳が異なる部分に出くわすと、前のと今回とどちらが正しいのだろうとは思ってしまう(多分今回のほうが正しいのだろうが、翻訳の解釈やニュアンスの変化、ということもあるだろうから一概には言えない)。これは、いよいよ次は原書"Watership Down"を手に入れて読むべき時が来たのかもしれない。
ウォーターシップダウンのうさぎたち コレクターズ・エディション [DVD] Tales from Watership Down Watership Down
 大人になって、久々にこの本をじっくり読むことによって、子どもの頃読んだときには見えなかったもの・ことが、いろいろ見えてきたのは興味深い。特に、全編を包み込む英国の自然の描写が、実に素晴らしく味わい深いことに気づいた。あの丘陵地帯に立っているような心地さえする。この物語は、まさに「英国の心」だな。英国の田舎を愛する人には、すべからくこの本は"必読書"だ。まあ、それ以前に、うさぎたちの"心意気"に満ち溢れた壮大な叙事詩、というだけで必読に値するけれども。
 ところで、邦訳されてはいないが、物語の後日談を含む"Tales from Watership Down"という本があるのを知った。後日談か……。読んでみたいな。本編と一緒に買うかな。

  • Watership Down(The Official Websiteと銘打っている割には、あまり内容が充実しているとはいえないサイトだな。英語のみ)
  • The Real Watership Down from Richard Adams' book.(物語の舞台になったWatership Down周辺を実際に訪問して、写真やマップで紹介している楽しいサイト。英語のみ)
  • ちなみに、この小説を原作にしたアニメ映画「ウォーターシップダウンのうさぎたち」のDVDについては、2006年8月12日の日記で言及してあります。

(写真は、英国コッツウォルズのChipping Campden近郊、Dover Hillにて。2005年7月10日撮影)