誕生日に想う

 何度もこの日に書いてきてはいるが、しつこく今年も書く。

 本日、5月17日は、私の誕生日である。

 ちなみに、これも何度も書いていることだが、ノルウェーは5月17日が最も重要な国民の祝日憲法記念日」。国の誕生日と呼んでもいい日だ。今日のノルウェーの人々のインスタグラム投稿を見ていると、ほとんどの人が"Happy Birthday, Norway!"的なことを書いている。

 ノルウェーの人たちは、国を挙げて私の誕生日を祝ってくれているのだ(違)。

 それにしても、50歳を過ぎたいい大人が、いまだに自分の誕生日を騒いでいるのもアレだなと思って、ふと考えてみる。

 おそらく、誕生日というものが持つ「自分だけの特別感」が好きなのだろうと思う。

 誕生日というのは、それが元日とか大晦日とか特別な祝日に当たっていなければ、まあ自分とその周辺以外の人々には何ら特別でない「普通の日」、その前日とも翌日とも変わらぬ連綿と続く平凡な日のひとつである。当人たる自分でさえ、誕生日というレッテルがなければ、今日はごく普通の天気の良い爽やかな初夏の一日だな、と思う程度で終わるだろうし。

 私の場合、どうもこの自分にとっての「特別な日」と一般の人々にとっての「平凡な日」とのギャップを埋めたくなってしまうようだ。だからつい騒いだりノルウェーのことを持ち出したりするのだろう。「自分だけの特別感」を他の人と共有したくなる気持ちというか。これって別に私だけの特別な感情ではなくて、意外とみんなに共通している心理だと思うのだが、いかがであろうか。

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 それにしても、今日は実に爽やかによく晴れた一日だった。夕方などは湿気が抜けてほどよく涼しい風が吹いて、まるでヨーロッパに来ているかのような気分に浸ってしまう。なんだか気分が浮き立って夕方に近所の公園まで散歩に出かけてしまった。どうもここ数年、自分の誕生日に雨が降ったという記憶がない(都合よく忘れているだけかもしれないが)。

(2019年5月17日投稿)