【読了記録】美意識の値段

 親不知にかなり大きい虫歯が見つかってしまい、治療できない部位なので抜くしかないということで、本日泣く泣く親不知を抜歯してきた。

 今日は一日安静にしていなくてはならないので、リヴィングのソファで寛ぎながら読書に勤しんだ。

 おかげで、軽めの新書を実質丸一日で一冊読了。

 山口桂著『美意識の値段』(集英社新書)。軽めというのは、例えばこの前に読んだプルーストなどと比べると読みやすくてページが進む、ということを指すのであって、決して「内容が軽い」という訳ではないので念のため。

美意識の値段 (集英社新書)

美意識の値段 (集英社新書)

  • 作者:山口 桂
  • 発売日: 2020/01/17
  • メディア: 新書
 

  老舗オークション会社・クリスティーズで長年活躍していた方の経験談を詰め込んだ本なので、面白くないわけがない。

 ということで内容はまことに結構なのだが、如何せん特徴のある漢字づかいの文章や、日本語表現としてこなれておらず、意図を的確に伝えられていない文章が目について仕方なかった。内容が面白いので読み進められたが、これは著者のというよりは、担当編集者やライターたちの責任だろう。彼らこそ本づくりのプロとして、内容面以外でのクオリティをもっと上げられたはずなのに、実に勿体ない。

(2020年5月27日投稿)