【映画記録】どんなに可愛くてもお子様はダメ

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 夕食時に久々に赤ワインを飲んで(上の写真)、ちょっといい気分になったこの日の夜。

 食後にNHKで再放送中の「未来少年コナン」の昨夜放送分の録画を観ようとしたら、九州を席巻している超大型台風情報のために放送休止になり、一話分延期になっていた。当然、昨夜の分は録画はされておらず。前週に放送再開したばかりの「麒麟がくる」が休止なのはあらかじめ知っていたが、「コナン」も延期とは知らず、せっかくテレビの前にソファを移動して視聴体制を構えたのに、空振りになってしまった。

 何も観ずにテレビの前から撤退するのは気が引けたので、ワインを飲んだ余波も手伝って(笑)、手持ちのブルーレイから半ば勢いで映画『テッド』"Ted"(2012年)を選んで久々に鑑賞。相変わらずのおバカっぷりに大笑いしながら、楽しく観た。何度観ても面白い〜!

テッド [Blu-ray]

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  • 発売日: 2014/03/05
  • メディア: Blu-ray
 

  『テッド』のアブないくらいの面白さについては、以前2019年1月26日の日記でも少し書いたことがあるが、今日久々に観て、この相当おバカで下品で安っぽい演出は、意識してそのように作っているんだな、と改めて気づく。敢えておバカで安っぽく見せているからこそ、この映画のコアにあるかなり「マジ」な、友情とか絆とかかけがえのない存在とかについて、観終わったときに心にずっしりと響くのだと思う。

 ということで、すごくおバカで下品でいて実はとても「まっとう」な映画なのだが、それでもコレはあくまでオトナ向き。お子様にはか・な・り刺激の強い、いろんな意味でとってもアブないギャグネタ満載なので、さすがに小さい子どもには見せられない(笑)。どんなにテッドの見た目が可愛くて、観たい観たいとしつこくねだられても、ある程度自分で判断できる年齢になるまではダメですよ〜。本国ではR15指定だそうだが、まあ中学に入ってしばらく経った子なら、ようやくOKかな。それまで楽しみにとっておけと声を大にして言いたい。お子様たちのあれしたいこれやりたいが、なんでも甘い顔ですぐに叶えられてしまいがちな昨今だからかそ、せめてこのひとつぐらい、もう少し大きくなるまで我慢しろ、と(笑)。ダメなのはダメ。

 何ひとつ我慢せずわがまま放題に育った子どもといえば、映画の中に登場するドニー父子が象徴的だろう。執拗にテッドを我が子に与えようと付け狙うドニーは、幼い頃「No」に囲まれて育った反動から(ドニーが言葉遣いの正しさに異様にこだわる様子には、幼い頃受けた「何か」のトラウマさえ感じさせる)、我が子には決して「No」を言わずなんでも希望を叶えてあげているために、息子はわがまま放題の自己中に育ってしまっている。 自分で良し悪しを判断して、自分の責任で行動できるようになるためには、理不尽でない「No」はある程度必要なのだ。ちなみに、「理不尽でない」の基準は、なぜそれが「No」なのかを子どもにきちんと説明できるかどうか、だと私は思う。

 まあそんなカタイ(?)話は置いといて、そのドニーの息子をぶっ飛ばす場面で、字幕では「誰かが星一徹にならなきゃ」と出てくる。愛の鞭ですな(笑)。もちろん、これは日本人向けに当てられた字幕で、マーク・ウォルバーグのオリジナルの科白は「誰かがジョーン・クロフォードにならなきゃ」という、米国人でないと通用しにくい往年のカルト映画ネタだったそうだ(もちろん私も知らなかった)。

 こんな感じで、この映画は初めから終いまで米国サブカルネタがてんこ盛り。2019年1月26日の日記で書いた『フラッシュ・ゴードン』を筆頭に、SWや『エイリアン』や『E.T.』やインディ・ジョーンズなど、大量の映画やテレビや芸能ネタのパロディやオマージュがこれでもかと詰め込んである(ネタが2012年基準であるのに注意)。それをひとつひとつチェックするのもまたとても楽しいのだが、さすがに日本人には分からないものもすごく多く、日本語字幕を監修した映画評論家の町山智浩さんも相当苦労なさったらしい。以下のリンクは、その町山さんが明かす、日本向け字幕の「元ネタ」集です。

tomomachi.hatenadiary.org

  パロディ以外にも、”Mr. フラッシュ・ゴードン”ことサム・ジョーンズはもちろん、トム・スケリットノラ・ジョーンズが本人役で出ているし(ノラは歌声だけでなくかなりキッツイ下品ネタを披露してる)、ライアン・レイノルズがひょっこり顔を出していたりと、画面を眺めているだけで本当に楽しい。

 このいまいましい新型コロナウイルス禍がなければ、若い友人たちを我が家に集めて『テッド』の上映会をしたいくらいだ。みんなで大騒ぎしながら見るのにピッタリ。観ていない人は今すぐ観るべし!  但し、おバカネタとお下品ネタに耐性のない方はご遠慮ください。あと、くれぐれもお子様はシャットアウトで!(笑)

(2020年9月9日投稿)