【映画記録】名曲なくして名画なし

f:id:studio_unicorn:20200909163910j:plain

 

 ずっと気になっていたドキュメンタリー映画『すばらしき映画音楽たち』"Score: A Film Music Documentary"(2016年)を、レンタルのDVDでようやく観ることができた。

score-filmmusic.com

 

 小さい頃から映画音楽が大好きだった私。それも主題歌とかではなくて、れっきとした劇伴音楽、この映画の原題である「スコア」が。映画自体のソフトは持っていなくてもサントラ盤だけ持っている作品が、我が家になんと多いことか。

 この作品はまさに、映画の劇伴音楽がどう作られてきたかを描いたドキュメンタリーなので、それだけで私には興味津々。それを明らかにするために、作曲家や映画作家や関係者たちへのインタビューや現場映像・資料映像を駆使して製作され、加えて米国の映画音楽の歴史も俯瞰できる構成になっている。心理学者による映画での音楽の効用の解説も入っていて、なかなか秀逸な作品だった。いやー楽しめました。まさに「名曲なくして名画なし」だ。

 映画音楽のドキュメンタリーだけに、音楽が劇的な役割を果たす様々な名作映画の、いろいろな名場面ももちろん多数登場。観ているだけでかなり「胸アツ」な映像も多数。何しろプロローグのあとのタイトル・バックで、のっけから流れるのが「ロッキーのテーマ」だし。

すばらしき映画音楽たち [Blu-ray]

すばらしき映画音楽たち [Blu-ray]

  • 発売日: 2017/11/22
  • メディア: Blu-ray

 

 それにしても、米国映画音楽の歴史においてジョン・ウィリアムズJohn Williamsの存在がいかに巨大なものか、改めて実感する。現代の映画音楽を語るときに、特に米国においては、彼の影響を抜きにすることはできないだろう。そして、それに続く大きな存在として、今まさにハンス・ジマーHans Zimmerがこの世界に君臨していることも。

 最前線で活躍する数多くの作曲家たちへのインタビューや、彼らのリアルな製作現場映像がふんだんに盛り込まれているのも、この作品の大きな魅力だ。あまりに大勢出てくるので、アレクサンドル・デスプラAlexandre Desplatやマイケル・ダナMychael Dannaのような有名どころがほんのワンカットしか出てこなかったりして、ちょっと残念だったりする(笑)。特に私の印象に残ったのは、収録の際に自らオケを指揮することにこだわるジョン・デブニーJohn Debneyと、自ら映画館に赴いて観客のナマの音楽への反応をチェックするブライアン・タイラーBrian Tylerの二人だった。両人とも手がけた映画のサントラ盤を一枚ずつ持っているという親近感もあるかも。

(写真は、2020年9月9日に二子玉川にて撮影)

(2020年9月30日投稿)