河津桜の咲くころ

f:id:studio_unicorn:20220303142223j:plain

 

 東京・代官山の西郷山公園にて、河津桜の写真を撮る。

 3月に入ってようやく気候が春めいてきたので、そろそろ河津桜も花が咲き始めたかと思い、代官山に来たついでに様子を見に訪れた。

 

f:id:studio_unicorn:20220303142305j:plain

 

 西郷山公園の真ん中にある小高い丘の上に、すっくと一本だけ河津桜の木が立っているのだが、ご覧の通り、雲ひとつない青空をバックに、ピンク色の花々が鮮やかなコントラストを為してとても美しい。多くの人が訪れて、カメラを向けている。

 

f:id:studio_unicorn:20220303142506j:plain

 

 それでも、今年は2月のうちは非常に寒い日が多く、例年に増して春めくのが遅かったせいか、河津桜の咲きぶりもまだ三分から四分咲きという感じだ。

 一昨年にもこの日記に、同じ西郷山公園河津桜の写真を掲載した(2020年2月18日の日記参照)。その時の写真を見ると、まだ2月後半の段階であるにもかかわらず、3月に入ってから撮った今年の写真よりも多く花開いていたように見える。明らかに今年は開花が遅めだ。

 実際のところ、今日の写真をよく見ると、多くの花房がたくさんの蕾を抱えているのが分かる。満開はまだまだ先のようだ。

 

f:id:studio_unicorn:20220303142053j:plain

 

 花開くのを今か今かと待ち受けるそんな蕾たちも、この先両腕をいっぱいに広げるように咲き開く花びらをぎゅっと凝縮して内に秘め、身体を丸めて待機している。その色の濃いこと! ほとんど紅のような色で、これもまた目に眩しい。

 

f:id:studio_unicorn:20220303135945j:plain

 

 騒然とした世の中をよそに、むしろ宥めるかのように。

 私たちの心を慰め、いつまで見ても飽きない。

 美しき花々に、平和への祈りを込めて。

 武器の代わりに、戦場に花を持ち込もう。

(2022年3月4日投稿)