「ごはんファクトリー」の効用



 この日の、私たち夫婦二人による自宅キッチンでの「ごはんファクトリー」の記録を。

 私の妻が、この日の夕食の主菜として作ったのは、豚ロース肉のマスタードオニオン焼き(下の写真)。

 スーパーで買った生姜焼き用のロース肉を厚みを残しつつカットしてあるので、なかなか食べ応えのある一品だ。よく炒めた玉葱の甘みと粒マスタードの酸味がほどよくマッチして、ご飯がススム美味しさ。

 この料理は、元ネタはワタナベマキ著『食材2つでささっとメインディッシュ。』に掲載のレシピ。妻がアレンジを加えて何度も繰り返し作るうちに、すっかり「我が家のレシピ」と化している。

 

 もうひとつ副菜、というよりはお酒のつまみ的な一品として妻が作ったのは、きゅうりと揚げ玉のソース炒め(下の写真)。

 揚げ玉と中濃ソース、といういかにもB級グルメチックな食材が、きゅうりのさっぱりした食感に意外なほどにマッチする。実に居酒屋っぽい、お酒の肴にぴったりのひと皿だ。特に夏は、冷たいビールやハイボールがこの料理によく合う。

 上の二品などを作っている妻の横で私が作っていたのは、もちろん(笑)スパイスカレー。次の日の夕食用だ。

 今回の具材は手亡豆(てぼうまめ)と豚もも肉。以前の日記に書いたが(2022年4月16日の日記参照)、妻が参加している栄養士会の活動の一環で、我が家には茹でた豆がやたらと(笑)余っている。今回の手亡豆も、茹でて料理の施策に使った残りだ。

 こちらのスパイスカレーはこの日は作って冷まして冷蔵庫に入って一晩過ごし、翌日の夕食時に再びじっくりと火を通して温めて美味しく食べた。要するにずいぶん火が通ったわけで、豆は半ば以上溶けてグズグズになり、見事にカレーペーストと一体化している。豆だけでもそもそしないようにと豚肉を一緒に煮込んだが、これが厚みのあるもも肉で脂が少なく中身がみっしり。食べ応えは充分だった(下の写真)。

 いつも通りに今回もスパイスカレーを4人分作った。夫婦二人の食事なので2食分だ。というわけで、もちろん次の日の朝食もスパイスカレーだ(冒頭の写真)。

 というわけで今回の我が家の「ごはんファクトリー」も、いい感じに美味しい二日間を作り出すことができて、何より満足。

 心に影が差すことが多い日や、気分を大きく乱されて沈潜してしまう日には、おうちで「ごはんファクトリー」に没頭するのがいい気分転換になったり、心の影を払うのによく機能するなあ、としばしば実感する。

 心を一旦無にして作業に没頭することができる一方で、料理をすることは段取りも含めて極めて創造的な行為でもある。心を無にしつつクリエイティヴに活動することの効用は実に大きい、と思うのだがいかがだろうか。

(2022年6月23日投稿)