コロナかもしれない

 

 前回の日記から2か月以上空いてしまった。

 一度途切れてしまうと、復帰するのにかなりの時間がかかってしまう。私の悪いところだ。

 前回の日記を書き上げてからほどなく、今からちょうど2か月前の7月25日に38度5分の高熱が出て、それから丸2週間寝込んでしまった。

 熱は1週間弱でなんとか下がったものの、体の中の風邪っぽさや不調や風邪由来の痛みがなかなか抜けず、発熱から2週間経ってようやく身体の中の「悪いもの」が完全に体内から抜けたように感じた。つまりは「完治」したわけだが、その間ほとんどベッドで過ごしたために体力がすっかり衰えてしまい、さらに2週間かけて徐々に体力を回復して、ようやく日常生活を取り戻した。熱を出してからほぼ1か月かかったことになる。今年は夏の一番盛りの時期をベッドで寝て過ごしたわけだ。凄まじい酷暑の日々を上手いことベッドでやり過ごした、ともいえるが(笑)。

 というわけでひと月もブランクが空いてしまったせいで、暇人なりにいろいろ滞ってしまい、それらをひとつひとつ片付けるのにさらにひと月。気がつけば秋分の日を過ぎて、世の中の景色はすっかり秋色に染まっている。

 あれは、新型コロナウイルスに感染したのだろうか。

 検査は全然しなかったので、今となっては知るよしもない。もちろんただの風邪だったのかもしれない。この直前の数日は私にしてはかなり予定が詰まってしまい、けっこう無理して動いたために疲労がとても溜まっていたのは確かなので、いかにも体調を崩しそうな状態ではあった。それでも、いきなり38度以上の高熱が出るというのはなかなかに尋常ではない。インフルエンザならありえるか。でもインフルはどちらかというと冬のもの。真夏に感染する確率はゼロではないだろうが、あの連日最高気温が35度近い凄まじい酷暑の中では、インフルのウイルス自体が生きてはゆけまい。コロナ感染がピークに達していた7月末ごろの状況を考えると、やはりあの時の私も「コロナに感染した」と見做すのがもっともあり得る気がする。皮肉な話ですが。

 どうして熱が出た時にコロナかどうかの検査をしなかったか、ですって?

 それはもちろん、検査を受けても何ひとつメリットがないから、です。

 検査してコロナに感染したとわかっても、ただそれだけでしょう。まだ承認されていないコロナの特効薬をもらえるわけじゃないし。せいぜいコロナ陽性の証明書をもらうくらい。私は現在いわゆる勤め仕事をしていない身なので、仕事を休むために証明書をもらう必要が全くないのだ。あとは地域の保健所にコロナ感染の連絡をして、その日の新規感染者数にカウントされるだけ。結局普通の風邪と同じ既存の解熱剤や風邪薬をもらう対処療法しか治す道はない。しかも私は固定薬疹という非常に厄介な体質の持ち主で(イブプロフェンアセトアミノフェンがダメ)、一般的によく使われる解熱剤や風邪薬のほとんどすべてを身体が受け付けないので、それすらもらえない(涙)。私が2週間も寝込んだのも、もちろんその薬アレルギーのせいである。解熱剤が使えず自然治癒に任せるしかないので、とっとと熱を下げる、という芸当が私にはできない(涙)。

 というわけで、高熱を押してわざわざコロナの検査をしている医者まで行き、高熱のまま何時間も待ってまで検査を受けるメリットが何もないのだ。むしろそんな状態で無理して出かけたら確実に病状を悪化させるだけだし、(コロナ感染だったら)無駄にウイルスを撒き散らすばかりだし(笑)。

 そもそも発熱してしまうと街なかの検査会場では受け付けてもらえず、コロナの検査を実施している(大抵は発熱外来のある)医療機関に行くしかない。(あの頃は市販の検査キットは軒並み売り切れだったので、自己検査もできなかった)。一応は高熱で朦朧となりながらも自宅の近くで検査をおこなっている医者を検索してみたが、もちろん家から歩いて10分以内とかの近距離にはそんな医者はない。比較的近い医療機関は発熱外来の予約がいっぱいで受けられるのは1週間後(もう治っているのでは?笑)とか、予約がない代わりに検査まで数時間待たされるとか、そんなのばかり。

 当たり前ですよね。あの時は2022年7月下旬、コロナ感染第7波のピークを迎えて感染者数はうなぎ上り。それなのにコロナ検査が可能な医療機関は限られているから、どこも陽性の証明書を求めて検査を待つ人々でいっぱい、数時間待ちは当たり前の状態。これじゃあ無理もない。特定の医療機関に負担が極端に集中している状態。やれやれ。早くインフルエンザのように、その辺の町医者でも簡単にコロナかどうかの検査ができるようにならないといけないのに。行政はそこに力を尽くすべきなのに。もう3年目なのに、いまだにこの体たらく。今の日本の行政がやっていることがいかに的外れなのか、当事者になると身に染みて本当によく分かる。やれやれです。

 

 

 ……と、ここまで書いたのが9月24日。最初の方の日付の表記を見て「あれ?」と不審に思われた方々、ごめんなさい。書きかけのまま見事に3週間以上放置してしまったのです。

 理由は簡単、この文章を書くうちに例によって目と首筋と肩がゴリゴリに痛むようになってしまって、書き進められなくなったのが発端。その後はずるずると止まってしまいました。

 というわけで改めて、熱を出して寝込んでから3か月近く、そして前回の日記から3か月以上経ちました(笑)。すっかり秋も深まったこの頃、とするりと口に出すのが躊躇われるほどに、つい先日まで妙に気温が高く、かと思うと真冬並みに冷え込んだりして、いよいよこの惑星もヤバくなってきたなと実感するばかりですが(笑)。

 あの時何より幸いだったのは、一緒に暮らす私の妻には何ひとつ症状が出なかったこと。おかげで夫婦ふたりとも寝込んでしまう危機を回避できて、妻が家のことを滞りなく進めることができたのは本当に幸いでした。

 それにしても、私が寝込むまではこのところ夫婦ふたりでずっと一緒に行動していたので、私がコロナに感染したのであれば間違いなく妻にも感染していたはず。なのになんともなかったということは、妻はいわゆる「無症状感染」だった公算が高い。だとしたらなんとラッキーなことか。私のように熱を出して寝込む事もなしに、コロナの抗体だけ得ることができたわけだから。コロナの抗体も(インフルのと同等であれば)一年くらい持続するのでは、と先日お会いしたお医者さんが仰っていたので、今更ながら夫婦ふたりで抗体検査を受けてみる価値はあるかもしれない。せっかく2週間も寝込んだのだから(笑)。

 

(写真は全て、2022年10月8日に東京・吉祥寺の井の頭公園にて撮影)