京都1日目・建仁寺

 京都の楽しみのひとつはお寺を見ることである。妻も私も枯山水式のミニマルな石庭が大好きなので、いきおい訪れるのは禅寺が多くなる。今まで訪れた中では東福寺が一番のお気に入り。
 で、今回は、雑誌かなんかで見た庭の写真に惹かれて建仁寺へ行った。降りしきる雨の中方丈に入ると、いきなり俵屋宗達の風神・雷神図が。すっかり失念していたが、この有名な屏風絵って、この寺にあったのか。方丈の石庭は、東福寺南禅寺のような渦巻き模様ではなくて、波線がいくつもま〜っすぐに流れている模様だった。これはこれで大変によい。入った当初はそれなりに人がいたのだが、方丈を一回りしてみるとほとんど人がいなくなっていたので、のんびりと雨の庭を楽しむことができた。
 また、もうひとつ入れる建物・法堂へ行くと、なんと中では、ここの僧らしき人が琵琶の生演奏をしていた。日本の琵琶とは違う琵琶で(中国琵琶かと思ったが、あとで訊いたらインド琵琶とのこと)、不思議なアンビエントな旋律を奏でている(現代の曲かと思ったら、古いインドの旋律とのこと)。音が法堂の伽藍の中で反響して何十にも重なり、天井の龍の絵とも相まって不思議な空間を作り出していた。琵琶の音色が大好きな私にとっては、ラッキーな偶然だった。