にんにくと生姜は最高のコンビ

 

 この日の夕食の主菜に私の妻が作った料理は、豚肉とゴーヤの味噌炒め(上の写真)。

 元は高山なおみさんの『野菜だより』掲載のレシピだ。

 


 南西諸島などで多く栽培されている苦瓜ことゴーヤは、もちろん夏に多く出回る野菜だが、我が家でもお馴染みのゴーヤチャンプルー以外ではなかなかお目にかからない気がする。それ以外でゴーヤを使った料理を、と妻が上記の本で目をつけたのがこの料理。以来、我が家の夏の定番料理のひとつになっている。

 私が思うに、この料理の美味しさのキモは、なんといっても味付けの段階で味噌と混ぜ合わせる二つの香味野菜、おろしにんにくとおろし生姜の組み合わせだ。にんにくの甘みのこもった味と深みのある香りに、生姜のピリッと爽やかな辛みと風味が合わさると、本当にえもいわれぬ奥行きの深い味わいと香りが醸し出される。

 実に、にんにくと生姜というのは、料理においてこれ以上ないくらい息の合ったコンビネーションだと、つくづく思う。私がここ数年よく作るスパイスカレーでも(2021年8月28日の日記参照)、基本の炒めの過程で玉葱ににんにくと生姜が加わることで、あのカレーらしい味わいの基礎作りの役目を果たしている。だからどのスパイスを使うかと問う以前に、そもそもこの二つの香味野菜を絶対に欠かすことはできない。麻婆豆腐にしてもそうだ。にんにくと生姜が味の下支えの決め手になっているといっても過言でない。

 ひとつひとつは何気ない日常の香味野菜が、二つ合わさることで倍以上の力を発揮する。こういうところに、料理を作る面白さの妙がひそんでいるのかもしれない。

(2023年9月23日投稿)