2022-01-01から1年間の記事一覧

「生きている人間」の物語

テレビドラマ「silent」(サイレント)の話、しつこく続きます(笑)。 このドラマの人気がなんだかものすごく社会現象化してきて、世田谷代田や下北沢といった「自分ちの庭」がすっかり賑やかになったので、これはもっと書いておかないと、という気持ちにな…

西洋料理と中華料理の「いいとこ取り」

美味しいごはんの話です。 先日手に入れた、若山曜子さんのベストセラー料理本の続編『フライパン煮込み2』(2022年11月29日の日記参照)。さっそく我が家のキッチンでも活躍しており、この日の夕食に登場した料理は早くもこの本からの5品目に当たる。 フ…

そして13人がいなくなった

さてさて。今年のNHK大河ドラマ、三谷幸喜さん脚本の「鎌倉殿の13人」はどうしたかというと、結局ものすごく遅まきながら観始めています。 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 完全版 第壱集 ブルーレイ BOX [Blu-ray] 小栗旬 Amazon あれだけ昨年の「青天を衝け」…

二つの「世田谷代田」、あるいは二重写しの風景

昨日の日記の続きを。というか、昨日書きそびれたことを書いておかねば。 現在放送中のテレビドラマ「silent」(サイレント)と、我が地元の馴染みの場所にして「自分ちの庭」こと小田急線・世田谷代田駅周辺のことだ。 それはそうと、偶然にも昨日の朝日新…

その後の「自分ちの庭」

(小田急線・世田谷代田駅前。2022年11月30日撮影) 「自分ちの庭」こと、小田急線の下北沢〜世田谷代田界隈。私たちの身近な生活圏。その世田谷代田周辺がメインのロケ地で出てると知って、観始めたテレビドラマ「silent」(サイレント)。 その後も観てい…

ヨボヨボになっても

いやあ、本当にやるとは正直思っていなかったので、びっくりしました。 何って、もちろんインディ・ジョーンズIndiana Jonesですよ。 しかもハリソン・フォードHarrison Ford主演で。インディは彼以外にないのだから当然なのだが、何しろハリソン御大は当年…

フライパン煮込み、再び

2022年10月26日の日記で少し言及した、若山曜子さんの好著『フライパン煮込み』の続編『フライパン煮込み2』(主婦と生活社)。 我が家では発売後さっそく手に入れたが、ひと通りざっと眺めた私の妻が言うには、前著より一捻りした料理が多い印象とのこと。…

世田谷代田も「自分ちの庭」ですが、何か?

(小田急線・世田谷代田駅前から富士山を望む。2022年11月10日撮影) ふとしたきっかけから、現在フジテレビ系列で木曜日夜10時から放送中の連続テレビドラマ「silent」(サイレント)の、11月5日放送の第5話を観た。 第5話を観たのは、このドラマの存在…

味が薄めなのは「当たり前」

美味しいごはんの話が続きます。 前回の日記で書いた「豚肉と里芋の梅高菜煮」からちょうど1週間後の、夕食の主菜に私の妻が作った料理が、豚肉とキャベツの味噌にんにく煮込み(上の写真)。前回同様、こちらも若山曜子さんの『フライパン煮込み』に掲載の…

豚肉と里芋の梅高菜煮

この日の夕食の主菜用にと私の妻が作った料理は、豚肉と里芋の梅高菜煮だった(上の写真)。 我が家で最も出番が多い料理本のひとつ、若山曜子さんの『フライパン煮込み』掲載のレシピだ。 フライパン煮込み 作者:若山 曜子 主婦と生活社 Amazon 今日の豚肉…

コロナかもしれない

前回の日記から2か月以上空いてしまった。 一度途切れてしまうと、復帰するのにかなりの時間がかかってしまう。私の悪いところだ。 前回の日記を書き上げてからほどなく、今からちょうど2か月前の7月25日に38度5分の高熱が出て、それから丸2週間寝込ん…

単なる懐古ではなく。

ケネス・ブラナーSir Kenneth Branagh脚本・監督の映画『ベルファスト』"Belfast"を、例によって我が家からほど近い映画館・下高井戸シネマにて観た。 最も過酷な情勢下にあった1969年の北アイルランド・ベルファストを舞台に、9歳の少年バディとその家族や…

大いなる円環

遥かな未来のことだと、ずっと思っていた。 あの「お願い だれも息をしないで」。 そこに、ようやくたどり着いた。 物語の大いなる円環が、今ひとつに繋がった。 末次由紀著『ちはやふる』の最新第49巻を読んだ。周知の通り次の第50巻で完結が予定されており…

「倍速視聴」はしないけれども

稲田豊史著『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)をこの日、読了。 サブタイトルは「ファスト映画・ネタバレ--コンテンツ消費の現在形」。非常に話題になっている一冊だ。私も新聞の新刊広告でこの本の存在を知って以来とても他人事とは思えず、すご…

「ごはんファクトリー」の効用

この日の、私たち夫婦二人による自宅キッチンでの「ごはんファクトリー」の記録を。 私の妻が、この日の夕食の主菜として作ったのは、豚ロース肉のマスタードオニオン焼き(下の写真)。 スーパーで買った生姜焼き用のロース肉を厚みを残しつつカットしてあ…

ボルシチはウクライナの郷土料理

先月末のことだが、我が家の夕食の食卓に、私の妻が作ったボルシチが登場した(上の写真)。 栄養士の資格を持つ妻が地域の栄養士のヴォランティア団体に長らく参加していることは、以前にも書いた。そこでの活動の一環として、妻は月に一度、退職した人を中…

ハマスホイとドライヤー、都市の孤独

下高井戸シネマにて、映画『ゲアトルーズ』"Gertrud"を観た。デンマークの映画監督カール・テオドア・ドライヤーCarl Theodor Dreyerによる、1964年公開作品。全編モノクロである。私は寡聞にして全く知らなかったのだが、「カール・テオドア・ドライヤーセ…

誕生日と祝日と忌日と

というわけで、妻の誕生日から5日後の5月17日は、私の誕生日。 55歳になりました。ゾロ目だ(笑)。 もう毎年同じことばかり書いていて誠に恐縮だが(でも書くけど)、5月17日は私の誕生日であると同時に、ノルウェーの事実上の建国記念日たる憲法記念日…

シカゴピザでお祝いを

5月12日は、私の妻の誕生日。 毎年同じことを書いて恐縮だが(でも書くけど)、この日から私の誕生日5月17日までの5日間だけ、夫婦同い年になる。 今年は、天気予報で誕生日当日が雨模様との予報が出ていたので(実際に雨が降る一日だった)、前日の夜に…

エスニックディナーを「ごはんファクトリー」で

2021年8月28日の日記に書いた私のスパイスカレー作りだが、昨年9月に新しい家で暮らし始めてから、今でも続いている。とはいっても、先述の通り引っ越してしばらくはプチ適応障害で心身ともに激しく不調だったためとても料理をする余裕がなく、ようやくこ…

限りなく懐かしい、「イタリア的」なもの。

我が家からほど近い映画館「下高井戸シネマ」にて、イタリアの名匠パオロ・ソレンティーノ監督Paolo Sorrentinoの最新作『Hand of God -神の手が触れた日-』(英題:The Hand of God、イタリア語原題:È stata la mano di Dio)を観た。 米国アカデミー外…

「縁の下の力持ち」とジャンル映画について

2022年4月3日の日記に続き、第94回米国アカデミー賞の受賞結果について、雑感を記す。 今回のアカデミー賞での最多受賞作品は、6部門を受賞した『DUNE/デューン 砂の惑星』だった。2022年4月3日の日記にも書いたように私個人としては、『ドライブ・マ…

映画の大衆性と芸術性

周知の通り、日本時間で2022年3月28日に開かれた第94回米国アカデミー賞の授賞式において、濱口竜介さんが監督した日本制作映画『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞(以前の外国語映画賞)を受賞した。2022年3月17日の日記に書いた通り、この映画を…

栄一巡りは続く

渋沢栄一の生涯を描くNHK大河ドラマ「青天を衝け」が昨年末に最終回を迎えてから、丸3か月が経った。私たちが最終回の録画を観たのは年が改まってからの1月5日だったが、それから数えても早3か月近い。 ではあるが、2022年1月5日の日記に書いた通り…

物語ることの豊かさ

濱口竜介監督、西島秀俊主演の話題の映画『ドライブ・マイ・カー』を、我が家から比較的近い、街の映画館「下高井戸シネマ」にて観た。 dmc.bitters.co.jp 下高井戸シネマの上演作品のラインナップは週替わりが基本で、話題の作品でもせいぜい2週間程度しか…

静寂と郷愁の響き

先日の日記で、ウクライナと聞いて真っ先に思い浮かんだ人、フィギュアスケーターのオクサナ・バイウルさんについて書いた(2022年2月27日の日記参照)。 だが、そのあとで、私にとってものすごく大切な現代音楽の作曲家がウクライナ人だったことを完全に失…

パッタイと柚子胡椒

夕食のメインにと妻が作った今日の料理は、パッタイ。 いわゆるタイ風焼きそばだ。 ここ数日で日中の気温がぐんと上がって、季節が春へと一気に前進したような暖かさ。それどころか、いきなり春本番並みの気温で少々暑く感じることも。身体が戸惑うことこの…

「歴史」を学ぼう

3月11日。 東日本大震災から11年。 あの災害の記憶を風化させてはいけない。 大地震と津波、原発が引き起こした大いなる苦難と、復興への血の滲むような足掻きを忘れてはいけない。記憶すること、語り継ぐこと。それがとても重要なのだ。 あの11年前の悲劇…

28年の月日を超えて

2月27日の日記で言及した、1994年リレハンメルオリンピックのフィギュアスケート女子シングル金メダリストにして、ウクライナ初のオリンピック金メダリストであるオクサナ・バイウルOksana Baiulについて、少々追記を。 まず、オクサナ・バイウルさんご本人…

河津桜の咲くころ

東京・代官山の西郷山公園にて、河津桜の写真を撮る。 3月に入ってようやく気候が春めいてきたので、そろそろ河津桜も花が咲き始めたかと思い、代官山に来たついでに様子を見に訪れた。 西郷山公園の真ん中にある小高い丘の上に、すっくと一本だけ河津桜の…