西洋料理と中華料理の「いいとこ取り」


 美味しいごはんの話です。

 先日手に入れた、若山曜子さんのベストセラー料理本の続編『フライパン煮込み2』(2022年11月29日の日記参照)。さっそく我が家のキッチンでも活躍しており、この日の夕食に登場した料理は早くもこの本からの5品目に当たる。

 

 

 この日の夕食の主菜に私の妻が選んだ料理は「鶏もも肉のトマトチリソース煮」(上の写真)。

 元レシピにアレンジをかけまくる妻にしては珍しく、レシピにないしめじを加えて香味野菜の分量を増やしたくらいで、ほぼレシピ通り(辛みが少々強すぎるので豆板醤の量も少々減らしたそうだ)に作ったとのこと。この日はこのレシピの初回だったので、もう一度この料理を作るときには大幅にアレンジかけるかもしれないが。

 豆板醤に長葱、にんにくに生姜とオイスターソース、と中華料理でお馴染みの味付け。これだけだとまさにエビチリそのまんまなのだが、メインの具材が海老でなく鶏もも肉を使い、さらに粗みじんにした生トマトを全面的に使用しているのが大きなポイント。つまりは西洋料理のテイストを加えているのである。片栗粉を振ってジューシーなとろみが大幅にアップした鶏もも肉の食感と、生トマトのさっぱり感と酸味が中華風の味付けにうまくマッチして、あまり食べたことのない不思議な美味しさを醸し出している。豆板醤のピリ辛感が生トマトの軽やかな酸味のおかげで、上手いことしつこくない辛みに転じているのも実にいい。

 そうそう、椎茸のお出汁もよく汁に染み出しており、これもひと味旨みをプラスしていることも書いておかねば。

 

 

 2022年11月29日の日記にも書いたが、異なった伝統を持つ料理の要素を組み合わせてアレンジするのは、若山曜子さんの得意とするところ。この料理の、西洋料理と中華料理の「いいとこ取り」をしたような組み合わせ方も、まさに若山さんならではの一品だ。いやあ、本当に美味しかった。この料理はとても気に入りました。

(2022年12月21日投稿)