2021-01-01から1年間の記事一覧

住所が変わりました

そんなわけで(どんなわけだ)、新しい家で暮らしている。 私が生まれ育った東京は世田谷区代田にある実家を、独立型二世帯住宅に建て替える新築工事を今年(2021年)の頭から進めていた。私たち夫婦と私の母とが同じ屋根の下で個別に暮らせるようにとのこと…

冬至の銀婚

12月22日は、私たち夫婦の結婚記念日。 この日は、毎年ではないがほとんどの年において冬至の日に当たる。 今年(2021年)の12月22日も、冬至の日。 さらに今年は、私たちの新しい家で迎える初めての結婚記念日になった。 毎年結婚記念日に作る、恒例のブッ…

人生の「ヒマつぶし」

数日前に、下高井戸シネマにてジム・ジャームッシュ監督Jim Jarmuschの2003年の作品『コーヒー&シガレッツ』"Coffee and Cigarettes"を観た。 下高井戸シネマで映画を観るのはほぼ9か月ぶりだ。これまでも自宅から自転車で15分という近さがたいへん便利だ…

紙の本の「効用」

朝日新聞の毎週木曜日夕刊に掲載されている脚本家・三谷幸喜氏のコラム「三谷幸喜のありふれた生活」。毎週楽しみにして欠かさず読んでいるのだが、先日(12月2日)のエッセイ(第1064回)に、思わず我が意を得たりと膝を打った。 前週のコラムでは三谷氏は…

中世は「暗黒」ではない

引っ越しを目前に控えたバタバタのせいでなかなか読み進まないが、ウィンストン・ブラック著『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』(大貫俊夫監訳、平凡社)を少しずつ読んでいる。 中世ヨーロッパ: ファクトとフィクション 作者:ウィンストン・ブラッ…

私のスパイスカレー道

前日の夕食のメインは、さらにその前日に私が作っておいたスパイスカレー&ライス。「翌日のカレーはとても美味しい」とよく言われるが、やはり一日置くとカレーの旨味が増すように思うので、最近はスパイスカレーに関しては食べる前日に作っておくことが多…

奇跡の夕景

この日記に書きたいことは山ほどあるというのに、なかなか書くに至らない日が続く。 昨年の終わり頃から種々の医者に通い続けた成果(?)もあって、昨年後半の最悪の状態からはだいぶ回復したが、まだまだ執筆や作品作りなどで画面を集中して凝視できる時間…

青天を衝き、雲を翔びこせ

このテレビドラマについて書こう書こう、と思うだけで一向に手が動かないうちに、どうやら放送が半分を過ぎてしまったようなので、慌てて少し書いておこうと思う。 現在放送中の、NHK大河ドラマ「青天を衝け」である。 大河ドラマ 青天を衝け 完全版 第壱…

紡がれた言葉は、永遠に。

児童文学者・翻訳家の神宮輝夫氏の訃報に接する。 享年89歳とのこと。 今はただ、逝きし魂の安らかなる平安を願うのみだ。 www.asahi.com 神宮輝夫さんの代表的な訳業としてよく挙げられるのは、『ツバメ号とアマゾン号』をはじめとするアーサー・ランサムAr…

命の極みの刻

玄関のドアを開けると、ポーチに瀕死の蝉が横たわっていた。 仰向けに転がって、わずかに弱々しく足を動かしている。 最期の刻を迎えつつあるようだ。 土の上で終末を迎えられるように、 そっと脇の植え込みの中に移してやった。 やがて、土に還ることができ…

茄子の旨辛ナムル

本日の夕食の副菜に私の妻が作った、茄子の旨辛ナムル(上の写真)。 レンジで加熱してくったりした茄子に絡めた胡麻油とコチュジャンの、えも言われぬ香りとほんのり辛みがよく効いていて、実に旨い。簡単に作れるので、お酒のおつまみとしても秀逸な一品だ…

過去の人々にも「違う靴」を。

佐藤信編『古代史講義 邪馬台国から平安時代まで』(ちくま新書)を読了。現在第4弾まで出ている、ちくま新書の大人気「古代史講義」シリーズの記念すべき第1集を、ようやく読むことができた。 古代史講義 ──邪馬台国から平安時代まで (ちくま新書) 筑摩書…

くたくたに茹でたブロッコリー

この日の我が家の夕食は、ライトなイタリアンディナー。ワインを一本開けて、じっくり楽しんだ。 その締めのパスタ料理として妻が作ったのは、ブロッコリーのアーリオ・オーリオスパゲティ(上の写真)。 あらかじめくたくたになるまで茹でて、とても崩れや…

現代的な大家族の肖像

今年の5月28日に、小路幸也著『アンド・アイ・ラブ・ハー』を読了。読了してからずいぶん間が空いてしまったので、読了記録とは別の投稿として、少々思うところを書くことにしよう。 アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン (集英社文庫) 作者:小路幸也…

レシピを自分のものにする、ということ

ピーマンの肉詰め焼き(下の写真)。 私の妻がこの日の夕食の主菜に作った料理だ。 家庭料理としてかなりポピュラーなイメージのある料理だが、作るのにかなり手間がかかるせいか、意外と食卓に上がる頻度が少ないような気がする。 この料理を作る際に元ネタ…

【読了記録】物語ることの豊穣

朝井まかて著『雲上雲下』を、この日読了。この著者の小説は初読だった。 朝井まかて氏は時代劇専門の小説家というイメージがあって、正直今まであまり興味が湧かなかったのだが、この作品は民話(昔話)と物語ることにまつわるファンタジー小説だと聞き、フ…

血縁絶対主義者よ、地獄に墜ちよ

昨年急逝した直木賞作家・藤田宜永氏の小説『愛さずにはいられない』を読了。著者の唯一の自伝的小説といわれる、原稿用紙千三百枚の大長編だ。その長さにもかかわらず、文章自体はとても読みやすく、生き生きとした会話や臨場感溢れる場面展開の妙に引き込…

【読了記録】下町の古書店の物語

小路幸也著『アンド・アイ・ラブ・ハー』(集英社文庫)を読了。 東京下町の古書店を舞台にした人気大家族小説「東京バンドワゴン」シリーズの第14作(本篇だけなら第11作)である。 アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン (集英社文庫) 作者:小路幸也 …

巡り巡って

巡り巡って、妻の誕生日から5日後。 5月17日は私の誕生日。 何度も書いているが、5月17日はノルウェーでは最も重要な祝日だ。 さらに昨年の同じ日の日記に書いたように、この日の東京は超個人的認定の「晴れの特異日」なのだ。が、今年の5月17日の東京の…

ワイン・オルタナティヴ

5月12日は、私の妻の誕生日。 例年同じことを書いていて恐縮ですが、この日から私の誕生日(5月17日)までの5日間だけ、夫婦同い年になります。 3月5日(私の母の誕生日)に母にご馳走したので、そのお返しにと母が、妻の誕生日を(と一緒に5日後の私…

母の誕生日

3月5日は、私の母の誕生日。今年で満82歳。 私の実家の近くにある、オープンしてまだ丸2年というイタリア料理店「Daitalia」(ダイタリア)にて、母と妻と私の三人でディナーをいただき、ささやかに誕生日を祝う。 www.daita-lia.com 新型コロナ禍による…