「瀧口修造 夢の漂流物」展

 今年の後半に作品展を開くために、区民ギャラリーの申請のため世田谷美術館へ妻と行く。申請自体はすぐ終わったが、ちょうど開催中の「瀧口修造 夢の漂流物」展が前々から気になっていたので、閉館近い時間ながら、観ることにした。
 瀧口修造シュルレアリスム詩人で造形作家。あまりこの人のことは知らなかったのだが、彼の作品やら収集物やら交流の深かった多くのアーティストの作品やらが、雑多に展示されていて面白い。ここまでやるんだったら、いっそのこと彼の書斎を館内に再現してみてもよかったのでは……と思わせるくらい、所狭しと陳列されていた。瀧口修造のことはよく知らなくても(私のように)、この展覧会を見ればその人となりや活動のことがおぼろげながらわかってくるような気がした。楽しめました。閉館時間が近くて、あまりゆっくり観れなかったことが、唯一残念だった。
 また、この展覧会のカタログがちょっと変わっていて面白い。体裁がハードカバーの書籍みたいになっていて、一見しただけではカタログとはわからなかった。さすが詩人の展覧会というべきか、展示物写真の収録はもとより、相当充実したテキストが収録されていて、内容的にもカタログというより書籍、という感じ。これを読んで瀧口修造について知識を広げてみることにします。