「東京-ベルリン ベルリン-東京展」「ドイツ・デザイン展」内覧会

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 寒風吹きすさぶ中、六本木ヒルズ森美術館で行われている、「東京-ベルリン ベルリン-東京展」と「ドイツ・デザイン展」の内覧会に行ってきた。
 今日は夕方ごろにはものすごく冷たい風がびゅうびゅうと吹きつけてくる。特に、ヒルズの辺りはもともと風が強い場所だけに、殴りつけてくるような突風が容赦なく襲いかかってくる。やれやれだ。
 実はこの展覧会、先週の末からもう始まっている。開催後に内覧会をやるなんて変なの、と思っていたら、実は6時からセレモニーがあって、石原慎太郎都知事とベルリン市長が出席することになっていたらしい。その都合で開催後の内覧会という、異例のことになったのだろうか。私が会場に着いたのは7時前になっていたので、もちろんこのセレモニーとやらには間に合わなかったが(出るつもりもなかったけれど)。そうかー、これって「日本におけるドイツ年」の企画の一環だったのね、と改めて認識した。
 あまり時間がないので、手早く2つの会場内を観てまわる。前回の「杉本博司」展のときのようにものすごく期待していたわけでもなく(2005年9月16日の日記参照)、たまたま内覧会の招待状をいただいたから、という消極的な動機もあったし、時間が足りないとか、私の基礎知識が不足しているとか、いろいろ要因はあるのだが、とりあえず観た感想は「イマイチ」。
 森美術館の全フロアを使って壮大に展開している「東京-ベルリン ベルリン-東京展」は、いまひとつ企画の主旨がよく分からなかったせいか、ピンと来なかった。単にベルリンと東京のいろいろな変遷を、時代順に作品を並べて俯瞰しているように感じられた。
 個人的に、すごく惹かれる作品にあまり出会わなかったのも事実だ。私が好きなドイツの美術は、中世のものとフリードリヒらのロマン主義だったりするので、ここに出ているキルヒナーなどの表現主義作家たちの作品は、正直言ってあまり好みではない。例外はバウハウスの部屋と写真の展示で、ここだけは一生懸命観た(笑)。あと、すごく気になっているヨーゼフ・ボイスの作品が、パフォーマンスを収録したビデオだけしか展示していなかったのは残念だった。う〜ん、ざっと観ただけで性急に決めつけるのもイヤなので、いただいたカタログをじっくり読んでみて、(幸い会期中の招待券もあるので)少し勉強してからもう一度行ってみようと思う。
 森アーツセンターの「ドイツ・デザイン展」のほうは、戦後以降のドイツのプロダクトデザインが、現物を床に並べ、壁に解説が書かれているという面白い展示方法で展開されており、デザイン好きな私としてはけっこう楽しめた。面白いのは、自動車の製品デザインの過程を、会場で再現して見せていることだった。目の前で実際にスケッチを描き、プロトタイプを削っている。なかなか興味深い。まあこちらも、またゆっくり観に来るとしよう。

(本日はカメラを持っていなかったので、別の日に訪れた六本木ヒルズの写真を掲載しました)