漢字の身体性

studio_unicorn20061102

常用字解
 漢字研究の大家、白川静さんの訃報を知る。
 ご冥福をお祈りいたします。
 96歳のご高齢だったとのこと。その歳まで漢字に対する情熱が衰えず、研究の最前線にいたということ、それ自体が驚異だ。
 現代の我々の中では、すでに"記号"として抽象的に捉えられている文字、漢字。その成り立ちを、古代の漢字の生々しい成立過程を示すことで、"生活の中で立ち上がってきた意思伝達手段"としての漢字の、なんというか"身体性"みたいなものを、我々に再認識させてくださったように思う。計り知れない業績だ。
 「常用字解」(私のレビューあり)は、そんな漢字の"身体性"を身近に感じることができる、素晴らしい著作だ。原研哉さんの装丁も素晴らしい。

(写真は、六本木ヒルズにて。2006年10月22日撮影)