昭和ノスタルジィ

studio_unicorn20071104

ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]
 夕食後、くつろいだ気持ちで映画「ALWAYS 三丁目の夕日」を妻と一緒に観る。ちょうど一昨日にテレビ放映していたのを録画しておいたのだ。
 2年前、ものすごく話題になり華々しい興行収入をあげた映画だったが、我々夫婦がこの映画を観るのは初めてだった。正直言って、全然ベタなノスタルジーとお涙頂戴だけの映画で大したことないだろうと高をくくっていたのだ。あの昭和33年を生きた人々でないと強烈な思い入れは持てないだろう、そんな映画だと思っていたのだ。
 全然そんなことはありませんでした(笑)。ごめんなさい。
 なんといってもCGを駆使して再現した、昭和33年の東京の街の風景が素晴らしい。全然ちゃちに見えないし、美しい。技術力もさることながら、表現のセンスがとてもいいのだと思う。ちょっと前の日本映画にありがちな作り物っぽさがなく、自然な感じで見せているのがいいね。レトロな昭和の風景が、美しく美しく美化されて映し出されている。私自身は(妻も)昭和33年にはまだ影も形もなかったので、別にものすごく「懐かしい」とは思わなかったが、それでもあのレトロで美しい映像は素晴らしかった。もともとレトロなものは大好きだし。けっこう多くの若い人が、古いものごとに対して、具体的な「懐かしさ」は一切なくても、却って新鮮な「レトロモダン」として受け入れ、むしろ積極的に好んでいるのと同じ感覚かな。レトロな昭和の風景も、未来のSF的な光景やファンタジィものに出てくるような異世界と同列の新鮮さで捉えている、というか。でも今よりも格段にゆっくりとした、穏やかなこの映画の時代(この映画の世界?)への漠とした憧れは、どの世代の観客も共通に感じたものかもしれない。
 役者陣の演技も素晴らしかったし(堤真一さんのガンコ親父が特にイイ!)、大いに楽しんで観ることができた。泣かなかったけれど(笑)、ジーンとはきたかな。
 それにしても続きが気になる終わり方だな〜。ちょうど続編の「ALWAYS 続・三丁目の夕日」が公開されたところだけれど、それを観ずにはいられない終わり方だ。なんでも1作目を作ったときは、続編の構想が全然なかったそうだが(だからセットも全部壊してしまい、また続編の撮影のために一から作り直したらしい)、本当にそうなの?と思ってしまった。これはもう、続編を映画館に観に行くしかないかな〜。

(写真の夕日の街角は、10月21日撮影)