黄金の羅針盤

studio_unicorn20080308

Golden Compass (Score) - O.S.T.
 晴天好日。銀座に来ると、温暖な気候に誘われてか"銀ブラ"を楽しむ大勢の人でごった返していた。
 妻と一緒に、有楽町マリオン丸の内ピカデリーで「ライラの冒険 黄金の羅針盤」"The Golden Compass"を観る。
 大好きな小説などの映画化ものには裏切られることが多いので(笑)、原作ファンの私としてはあまり期待しすぎないようにしていた(2006年8月18日の日記2008年2月25日の日記参照)のだが、それがよかったのか(?)、けっこう面白く観ることができた。よかったよかった、せっかくお金を払って観る映画がつまらなくなくて。偏狭で頑迷な米国を別にすればこの映画は大ヒットだそうだし、日本でも好調な出だしのようだ。
 なんといってもこの物語世界の最大のポイントは、守護精霊にして魂の一部でもある、動物の姿をしたダイモンの存在なのだが、その見せ方はそこそこ上手く行っていたと思う。ライラのダイモン「パンタライモン」がかわいい〜。よろいグマのイオレク・バーニソンも恐ろしく強いけれど、やっぱりかわいい〜。動物の姿をしたダイモンたちやよろいグマが多数登場するために、まるで「動物ファンタジー映画」の様相を呈していたりもする(笑)。
 また、映画に登場する飛行船や乗り物の優美な造形(宮崎駿アニメに登場しそうな、ちょっとレトロな雰囲気の機械ものが多い)、現実世界と微妙に異なる都市の造形などがいい感じに作りこまれているのもよい。まあ全編に満ち溢れるブリティッシュ・イングリッシュを聴くだけでも満足だったりするが。
黄金の羅針盤 (ライラの冒険シリーズ (1))
 それにしても、映画のラストをここで切るか〜、と原作既読の身としてはちょっとびっくり。原作1巻のラストまでたどり着かぬうちに、映画のほうは終了するのだ。ふーん。でも、私としては、ちゃんと1巻のラストまで入れて終わらせたほうが、世界全体の謎に踏み込んだクライマックスになったと思うな。そこが惜しかった、かな。
 もうひとつびっくりしたのは、エンド・クレジットで流れる映画の主題歌をケイト・ブッシュKate Bushが歌っていること。しかも歌詞の内容がライラに呼びかけるような、直接映画の中身につながったものだったので、余計にびっくり。あまりそういう、明らかにキャンペーン的な活動はしない人だと思っていたので、かなり意外だった。歌そのものは非常に美しいものだったけれど。
 さてさて、第2部「神秘の短剣」は、果たして映画化されるのだろうか。ひとつ観てしまうと、続きもやっぱり気になってしまうのが人情だ(といっても原作はすべて既読なので、大体の話は知ってしまっているのだが)。
 映画を観たあとで、近くの三越銀座店で開催していた「ライラの冒険の世界展」を観てみた。映画の中でダコタ・ブルー・リチャーズDakota Blue Richardsやニコール・キッドマンNicole Kidmanダニエル・クレイグDaniel Craigなどが着用した衣装や、黄金の羅針盤などの映画で実際に使われた小道具などが展示されていた(写真)。映画を観た直後だったので、なかなか興味深かったな。ベアブリックのライラとイオレクが欲しくなって買ってしまった。満足。