下北沢を救え!

  下北沢の近く・代田で生まれ育った私にとっては、下北沢は幼い頃から最も馴染みが深く、まさに"我が家"のような町であり続けた。それは今も変わらない。こちゃこちゃと小さい路地が入り組んで自動車と大資本の侵入を阻んでいるこの街は、歩いてまわること&いろんな人たちのエネルギーやアクティビティがすごく身近に感じられて、とても等身大な魅力を常に発散している街であり続けている。そしてそのことが、多くの人を下北沢にひきつけているのだと思う。
 ところが、どうやら下北沢を根底からつぶしてしまうような道路計画が進行しようとしているらしい。どうも今ある街並みをまったく無視してなぎ倒してしまう道路計画のようだ。
 私がこの計画に強い嫌悪を感じるのは、下北沢に寄せる個人的な強い愛着ももちろんだが、ひとつはこの計画が60年も前、戦後すぐの計画を、少々の手直しだけでそのまま実行しようとしていることである。「10年ひと昔」なら6昔も前だ。当然地域の事情も異なっておろうし、その間に発展してきた過程もある。現状に即した見直しを待たずにに60年前の計画を性急に実行するだけなんて、為政者たちの怠慢にもほどがある。あまりにひどい。
 またもうひとつは、この道路計画で儲けたいという、利権に目がくらんだ政治家や公務員の思惑、土建業者の思惑、そして(名目として利用されているのであろうが)自動車乗りたちの思惑が見えるからだ。事情も何も無視してとにかく何でも壊して新しいものを作りたがる=自分たちの利益のことしか考えず、住民や庶民のことはこれっぽっちも考えていない、そんな浅ましい姿が見える。また、歩くことによって最も価値を与えられる街に、人を蹴散らして排気ガスを撒き散らす自動車どもの利便など、考えてやる必要はまったくない。下北沢を楽しみたければ、車を降りて歩けばいい=今のままでまったくかまわないのだ。
 さらに、彼らの背後には、今までこの街への進出を阻まれていた大資本の影が見え隠れしている気がする。この機に乗じて、庶民たちのけなげな活動が全て蹴散らされたあとに、一大消費センターでも作ろうというのだろうか。まるでハゲタカだな。
 こんな言語道断な計画にノーを突きつけるべく、有志の人たちが立ち上がって草の根レベルでの活動を開始しているようだ。いつまでも強者のやりたいほうだいにはさせられない。私も少しでも力になれればと思い、WEB署名をした。ちょっとでも心ある人は、ぜひSave the 下北沢のホームページを見てください。