「ウナセラ・ディ・トーキョー」展

 天気がいいので、成城を出てから妻と自転車でサイクリングがてら砧公園まで行く。そして世田谷美術館で開催中の「ウナセラ・ディ・トーキョー〜残像の東京物語1935〜1992」展を観る。
 荒木経惟桑原甲子雄高梨豊・濱谷浩・平嶋彰彦・宮本隆司・師岡宏次の7人の写真家が捉えた東京の姿を一同に展示した、大変ユニークな写真展である。師岡宏次が写した戦前の銀座の情景から、荒木経惟のカオスな"トーキョー"、宮本隆司の廃墟写真まで、実にさまざまな「東京」の写真が見られてとても面白かった。中でも、壁面を写真で埋め尽くし、"覗き穴"まで作って東京のカオスぶりを表現した荒木経惟のコーナーには圧倒された。
 また中には世田谷近辺の、私たちがよく知っている場所の写真もけっこうたくさん出ており、「あれはあそこかな」なんて話しながら観てまわるのも楽しかった。レトロな戦前の銀座の写真も見ていて飽きない。本当に世田谷美術館の企画展はユニークな試みが多くて楽しい。残念だったのは今回のカタログが珍しく貧弱だったこと。よくカタログを買う私だが、今回はパスしました。