英国2日目・walking is pleasure

 英国ではカントリーサイドのウォーキングはとてもポピュラーなスポーツ&レジャーで、英国全土にはパブリック・フットパスPublic Footpathが網羅されている。このPublic Footpathは、私有地の中だろうと畑のど真ん中だろうと羊がうようよいる牧草地のど真ん中だろうと、全ての人に通行が保障されているという、英国ならではの素晴らしい制度なのだ。許されているのは歩行のみ(時には自転車・乗馬もOKのこともある)。
 大抵は土を踏み固めた道(らしきもののことも)があるが、ほとんど道なき道のこともあるし、ゲートを越えたらどーんと原っぱが広がっていて、どっちに向かったらよいのか途方にくれることもある。そんな状況でどうやって歩けるのかと思われるだろうが、ご心配無用(?)。ちゃんとPublic Footpath等と表示された方向指示つきの標識があったり、ゲートの端っこに矢印のシールが貼ってあったりするので、それにしたがって歩けばよいのだ。
 が、やはり地図は必携であるし、なぜかいつも指示どうりに歩いているはずなのに迷ってしまったり、違うFootpathに入ってしまったりしてしまう。前述のようにどーんと目の前に平原が広がっているだけで道が判別できず、途方にくれてしまうこともある。ちょっとしたオリエンテーリング気分も味わえるのだ(笑)。
 それでも、田園風景を見ながらのウォーキングは素晴らしく気持ちがいいし(時に汗はかくが)、標識を見つけたり、家畜が逃げないようさまざまな工夫がされているゲートを越えるのも楽しい。7年前にCotswoldsに来たときも、3年前に湖水地方The Lake Districtに言ったときも、最大の楽しみのひとつはこのフットパス・ウォーキングだった。
 今日もさっそく、Chipping Campden最大の景勝地ドーヴァーズ・ヒルDover's Hillへ向かってウォーキングしてみた。7年前にここを訪れたときにも歩いたのだが、そのときよりも道が整備されていて歩きやすくなっているような気がする。気温が高く、かなり陽射しが強い日なので、こちらでは珍しくけっこう汗が流れる。なるべく日陰を選んで歩くよう心がける(陽射しの強いヨーロッパに来ると、自然とこの習慣が身につく)。でも周囲の田園風景は、本当に素晴らしい。
 汗をふきつつDover's Hillに着くと、丘陵地帯は羊で溢れて(笑)いた。どうやら今年はここが放牧地になっているらしい。羊の落とし物をよけつつ丘陵に立つと、Cotswoldsの田園風景が遥か遠くまで見渡せて絶景。吹き渡る風も心地よい。(写真は、Dover's Hillで羊をバックにくつろぐ同行のクマたち)
 帰りは、Footpathを大きく回って平原地帯、森林地帯、そして麦畑のど真ん中と歩きまくり(お約束どおりちょっと道に迷い)、まさにFootpathの醍醐味を堪能しつくして村に戻ったのだった。