結局読了

studio_unicorn20060601

 昨日購入した「きょうの猫村さん」2巻(湯けむりバージョン)だが、もっとゆっくり読むつもりだったが、結局昨夜のうちに妻と2人で読み終わってしまった。読み出すとやめられないんですよねえ、猫村さんは。我が家の"危険図書"に認定(笑)。まあ、これから幾度となく読み返すだろうから、良しとするか。
 1巻のときは、その絵の、現代の漫画の主流から大きくかけ離れた素朴さ(拙さ?)と、物語の仕掛けのなさ(行き当たりばったりぶり?)の衝撃で大きく話題を振りまいた猫村さん。2巻ではどう変化・発展しているかと思ったが、基本的には1巻の"旨み"を踏襲しつつも、かなり"成長"した部分も見受けられた。
 そのひとつは、絵が格段にうまくなったこと。いや、別にあの素朴な絵柄の"味"がなくなったわけではない。ではなくて、立体的な形の表現力・再現力などがすごくうまくなったのだ。
きょうの猫村さん 2~湯けむりバージョン きょうの猫村さん 2
 それから、物語を"組み立てている"感じがしたこと。1巻では、(多分、ある程度の物語の組み立てはあったかもしれないが)基本的に猫村さんの一本道な話の進め方だった。それが、この2巻では2か所で話を同時進行させたり(当然猫村さんがいない場面も出てきている)して、物語の組み立て方やエピソードの順番などを工夫している跡が見られるのだ。テクニックが向上したか? おかげで、先が気になって、どんどん読み進めてしまった(笑)。
 そうは言っても、やっぱり猫村さん猫村さん。しっかりその魅力は、2巻でも受け継がれていた。エプロンのたて結びや背景の何気ない小物の描き方といった、細かいところのこだわりがたまらない。新しい登場人物が波乱を持ち込んでも、やっぱり物語はのらりくらりと、寄り道しながら進行する。相変わらずおばさんチックな(笑)猫村さんのしゃべり方も嬉しい。しかし猫村さんの世界って、よく考えればすごくシュールだなあ。第一猫がしゃべって家事しているわけだし。それをナチュラルに受け入れているように見えて、時々"猫らしさ"が出てきたりして、ますますシュールさを感じるのであった。

(写真は、三十三間堂で記念撮影する我が家のクマたち。2006年5月3日撮影)