脆きメトロポリスの青空澄み渡りし

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 朝から日差しが強く、直射日光を浴びるとじりじりと暑いが、湿度が低めなのか意外に爽やか。さすがにお盆で空気がきれいなのだろう、青空が冴え冴えと青く目に眩しい。特に都心のほうは、澄んだ空気のおかげでものがくっきりと見える。
 仕事の同僚によると、さすがにこの頃は、お盆期間中でも工場が完全に操業を停止することはないらしい。それより都心を走る自動車の量が少ないおかげで、空気がきれいなのだそうだ。確かに、今日の都心は走る車もまばら。いかに過剰な量の自動車が都心の空気を汚し、気温上昇に大きな役割を果たしていることか。そのことが実感できるのも、この時期と年末年始くらいだろう。東京も、パリやストックホルムを見習って、自動車の総量規制を早急に始めるべきだな。
 などと感慨にふける暇もなく、朝からとんでもない大停電。やれやれ。

首都圏で140万戸停電 交通乱れる 送電線に船が接触 -2006年08月14日13時30分
 14日午前7時半ごろ、東京都と千葉、神奈川両県の一部で大規模な停電が発生した。一時、計140万戸が停電し、JRや私鉄、地下鉄もストップ。信号機が点灯しなくなったり、エレベーターで人が閉じこめられたりする事故も相次いだ。けが人の情報はなく、停電は約3時間後に復旧した。東京電力によると、東京都江戸川区と千葉県浦安市の間を流れる旧江戸川にかかる送電線を、航行中のクレーン船が傷つけたことが原因と見られる。
 警視庁と千葉県警によると、東京都江戸川区南葛西7丁目の旧江戸川の中央部分で、航行中のクレーン船(全長36メートル、幅12メートル、380トン)が、水面から約16メートルの高さの送電線と接触した。クレーン船は三国屋建設茨城県)の所有。浚渫(しゅんせつ)工事をする予定だった。乗務員は「橋をくぐった後、長さ33メートルのクレーンを上げたところ、送電線に接触した」と話しているという。
 東京電力によると、送電線は2系統あり、一方が損傷しても、もう一方が予備の役割を果たすが、クレーンは送電線を2系統とも損傷させたという。この送電線は、発電所から送電する50万ボルトに次ぐ2番目に大きな送電線。この送電線につながる各変電所では、損傷によって過電流保護装置が働いて電流が遮断されたため、次々に停電が起きたという。
 停電が起きたのは中央、千代田、新宿、世田谷、渋谷など14区1市(計約97万戸)と横浜、川崎両市(同22万戸)、千葉県浦安、市川の両市(同20万戸)で計約140万戸。停電は同10時44分に解消した。
 東京メトロは午前7時半過ぎから一時全線で運転をストップ。順次再開したが、東西線高田馬場葛西駅間で約1時間運転を見合わせ、計10万3000人に影響が出た。東京都営地下鉄の各線やJR京葉線、東急や京浜急行京王電鉄東京モノレール線、新交通システムゆりかもめなど私鉄各線でもダイヤが大幅に乱れるなどし、計約34万5000人に影響が出た。
 東京消防庁によると、都内では、午前7時40分ごろから、停電が原因とみられるエレベーター内の閉じこめ事故での救出要請が58件あった。同時刻に火災の通報が数件あったが、大きな火災や交通事故の連絡はないという。119番通報も100件近く寄せられたため、緊急時以外の無線の使用を控えた。
 千葉と神奈川両県では計13件の閉じこめ事故があったという。
 警視庁によると、都内では、計約400カ所の信号が正常に点灯しなくなるなどのトラブルが起き、警察官が出動して手信号で交通整理にあたった。

 たかが1箇所の送電線の故障で、これほどの大事態。本当にこの大都市の脆さ、危うさが露呈した事件だったなあ。こんなんで大丈夫なのか!?(大丈夫なわけはないか) この調子で行ったら、何本か主要な電線を切られてしまうだけで、東京は丸ごとマヒ、なんてことになってしまうんじゃないかとさえ思えてしまう。ガスや水道は、止まってしまっても、いざとなればなんとかできなくもない。でもこの現代社会で、電気を止められたらホントお手上げだよ。
 我々は、普段思っているよりも「今そこにある危機」を実感する必要があるのかもしれない。それも、海の向こうにではなく、我々の身近なところで。
(写真は、昨日撮影した夕焼け空。日記の内容とあわせると、電線が何やら意味深に見えてくるなあ)