お盆の迎え火

studio_unicorn20060813

 11月の作品展に向けて、ようやく制作を始めたのだが、昨日は非常にイヤなことがあったために鬱状態。ダークな感じの作品ばかり出来てしまう。うまくいかないものだ。時間があれば出来るものでもないし。
 仕方なく(?)、午後は用事を作って、気分転換を兼ねて妻と下北沢へ行く。幸いよく晴れた日だったので、自転車を走らせるといくぶんかは気分が良くなった。けっこう蒸し暑いので、すっかり汗だくになってしまったが……。
 実家に顔を出してそのまま帰宅するつもりだったが、下北沢のスーパー「オオゼキ」の前で、ばったり私の母親と出くわした。聞けば今日の夕食はお盆なので天麩羅だとか。その買い物に来ていたらしい。ちょうど天麩羅がすごく食べたい気分だった(やっぱり夏だし)ので、予定を変更して、私の実家で天麩羅の夕食をいただくことにした。
 何度かこの日記にも書いたが、こと天麩羅に関する限り、私の食べたいのは「野菜! 野菜! ひたすら野菜!」なのである。海老? そんなものは全然天麩羅の必要条件じゃない(あれば食べるけれど)。特に、私が命懸けで(笑)大好きなのはじゃが芋の天麩羅。薩摩芋も好きだが何といってもじゃが芋である。あのほくほく感がたまらない〜。お店ではほとんど見かけないから、自分たちで作る以外にはなかなか食べる機会がないのだ。今日は、もちろんじゃが芋を大量にリクエスト(笑)。
ネクロポリス 上 ネクロポリス 下
 食卓に就く前に、玄関先でお盆の迎え火をたいた。わが両親は、こういう年中行事の仕来りにはけっこうまめに従う。そういえば、今日は旧暦の盂蘭盆なのだった(だからこそ夕食が天麩羅なのだが……)。彼岸と此岸が交わる季節、生者と死者が触れ合う季節。そして、我が身を振り返り、襟を正すにも良い季節なのかもしれない。
 と書いていて、「彼岸」といえば思い出したのが(正確には「お盆」と「お彼岸」は時季が違うが)、恩田陸氏の名作長編「ネクロポリス」。あの、英国文化と「お彼岸」が融合したような不思議な世界は、本当に読んでて面白かったなあ。昨年読んだ小説のベスト1です。
(写真は、私の実家にあるお盆用の灯籠。こんなものがあるのを忘れていた)