英国ロマネスクの愉しみ

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芸術新潮 2007年 04月号 [雑誌]
 今発売中の「芸術新潮」4月号の特集がすごい。「イギリスの古寺巡礼」と題して、イングランドの中世ロマネスク教会を大紹介しているのだ。
 ロマネスク美術というと、どうしてもフランスを中心に発展したイメージがあるので、かつて英国に一年間留学し、さらに中世ヨーロッパ美術を専攻した私でさえ、「英国のロマネスクって? 残ってるのかなあ」とつい首を傾げてしまう。英国の有名な教会建築は、皆ゴシック様式のものばかりだから、というのもある。カンタベリー大聖堂では、古い部分にはロマネスクの様式が残っていることは知っているが、あれは完成までに500年以上かかっているからねえ。
 しかし、探せばちゃんとロマネスクが存在しているらしい。それだけでももう購入決定ものだ。英国の中世美術は、キリスト教ケルト人やスカンディナヴィア人(所謂ヴァイキング)の文化要素が融合した、独特の美術だ。そんな英国での中世美術や教会建築が大好きな私としては、素敵な写真満載というだけで垂涎もの。いきなりのっけから懐かしいカンタベリー大聖堂Canterbury Cathedralが登場して大興奮。さらに、英国の取材記や食事などの旅の様子、そしてなんと英国料理のレシピまで掲載されていて、妻も大興奮(笑)。妻が何度も作ったことがあるシェパーズ・パイやトライフルなどが、美味しそうな写真つきで載っているのだ。
 というわけで、買ってしまった。「芸術新潮」は私の父親が定期購読しているので、私の実家に行けば見ることができるのは充分承知なのだが、これはすぐに読みたかったし、自分たちでも一冊持っていても惜しくない。買わずにいられるものか、だ。素晴らしい未知の英国ロマネスクの世界をじっくり楽しむとしよう。

 夜さっそく妻と2人で、楽しく写真を眺めつつ読んでいたのだが、そのうちに英国旅行の思い出話や食事の美味しさのことなどで話が盛り上がってしまった。おかげで、ものすごくイングリッシュ・ブレックファーストが食べたくなった(笑)。これは、今年の夏の旅行は英国か?
(写真はCanterbury Cathedral。2005年7月13日撮影)