金沢1日目・街歩き

乙女の金沢―カフェ、雑貨、和菓子、散歩道…かわいい金沢案内 (マーブルブックス)
 我々夫婦の、旅の最大の楽しみは街歩き。ということで、午後さっそくホテルを出て、先日購入した「乙女の金沢」(4月14日の日記参照)を手に、普段観光では行かないような道を通りながら、街歩きを楽しんでみた。
 金沢駅から「ふらっと通り」を通り、浅野川をこえてひがし茶屋街へ。あちらこちらに見かける古びてレトロな、時には寂れて侘しさが漂うような町並みを眺めながら歩く。
 途中、飴づくりの老舗「俵屋」に寄り、伝統的な水飴「じろあめ」から作った「飴ん子」を購入。この店は創業天保元年だけあって、お店の建物も古い町家そのまま。素晴らしい。

 本当は、ひがし茶屋街近くにある古本とカフェの店「あうん堂」でお茶するつもりだったのだが、運の悪いことに我々が金沢に滞在する3日間だけ休業だった。残念。この店は次回(いつだ?)だな。場所と外観だけ確認しておく。

 ひがし茶屋街まで来ると、さすがに観光客が大勢いて、けっこう賑わっている。情緒ある古い家並みがよく保存されているのはいいのだが、(以前来たときも思ったのだが)意外に写真が撮りづらい場所でもある。なんというか、自分が強烈に撮りたくなる(私が「絵になる」と思う)ものがあまりないのだ。単に「メジャーすぎるものを撮っても面白くない」という天邪鬼な気持ちかもしれない(笑)。
 歩き疲れたので、ひがし茶屋街にあるカフェ「茶房 素心」でお茶する。古い建物ではないそうだが、黒を基調とした渋い和風の内装は悪くない。場所柄、観光客で常に満席のようで、待てずに入れたのはラッキーだった。

  • 茶房 素心
    • 〒920-0831 石川県金沢市東山1−24−1
    • Tel:076-252-4426
    • 10:00〜19:00(冬季〜18:00) 水曜定休

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 ひがし茶屋街をあとにすると、近くの浅野川沿いにある「主計町茶屋街」へ(右の写真)。こちらのほうがマイナーなぶん、観光客の数は少ないが、それゆえ却って鄙びた風情がよく感じられて、個人的には、ひがし茶屋街よりもこの主計町茶屋街のほうが好きだ。絵になる路地も多いし、川沿いなので情趣がある。
 浅野川の橋のたもとのバス停で「城下町金沢周遊バス」に乗り、一気に犀川のほとりへ。予めこのバスの一日乗車券を買っておいたのだ。この乗車券、GW期間中だけは周遊バスだけでなく、北陸鉄道が運行する普通の路線バスも乗り放題になって大変オトク。一枚500円なので、3回乗れば元が取れる。金沢はコンパクトな街だが、急ぐor疲れているときの移動や歩くにはちょっと距離がある移動には、たいへん重宝する。
 時間的には夕暮れに差し掛かっていたが、天気がそこそこ良いこともあって、犀川のほとりは気持ちがいい。妻が「なんとなく鴨川みたい」と言った。そういわれてみれば、京都の鴨川にどことなく似た風情がある。
 犀川べりを後にして、新竪町へ。華やかな隣の竪町商店街と違って、ここの商店街はずいぶんと静かで、よく言えば鄙びた、悪く言えば寂れた雰囲気。だが、その騒がしくない手付かずの雰囲気が却って幸いし、個性的で素敵な店がぽつぽつと点在しているのが魅力だ。「乙女の金沢」にもそんな店が4軒ほど紹介されいて、その4軒を片っ端から(笑)訪問してみる。
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 どのお店も経営している人の顔が見えるような、いい感じに手作りのとても魅力的な店ばかりだった。その中でも、指輪職人さんがオーナーの「KiKU」は、静謐でレトロな店内の雰囲気が激しく私好みで、ものすごく気に入った。仮に自分が店を持つとしたら、まさにこんな雰囲気の店にしたい、というような佇まい。素晴らしい。扱っている指輪やメタルアクセサリーも、可愛らしく懐かしい感じで、男性の私でも身につけてもいいかも、と思わせるものばかりだった。一点ものだからけっこうお高かったけれど。
 実は、この店の入り口にあった、作家ものではなくてどこかで仕入れたものであろう(だから安い)ガラスのピッチャーのような素朴な器がすごく気に入り、買おうかどうしようか激しく迷ったが、結局買わずに出てきてしまった。ちょっと心残り。