危険なほどに刺激的

studio_unicorn20070703

MONUMENT FOR NOTHING
 書店で、会田誠さんの新しい作品集「MONUMENT FOR NOTHING」が出ているのを見つけ、立ち読み(立ち見?)する。
 この作品集はすごい。今まで制作した主だった作品を網羅的に収録+新作も(「今年はヴィトンが豊作じゃあ!」だって。わはは)。さらに、作家本人による各作品への詳細な解説も掲載するという、ある種の"集大成"的な一冊になっているのだ。
 間違いなく現代日本の最重要アーティストであると思う会田誠さんの作品は、時にかなり挑発的だったり猟奇的だったり、強烈なエロやグロをかませてくることもあって、ヒジョーに危険だ。誰が観ても気持ちのいい作品を作っているわけではないので、ある意味観る人を選ぶかも(私自身にも時にはツライ作品も)。でも、「まっとうな市民」とやらが目をそむけて見ないように(=存在しないように)している歪みや暗部を、そうは問屋が卸すまじとバカ正直に表現してくる姿勢を含め、非常に重要な表現活動をしている作家さんだと思う。何も考えずに「バカで〜す」みたいな顔してヘンな作品を作り、実は深いところでいろいろ戦略的に企んでいるような、でもさらに深層ではやっぱりな〜んも考えていないような。
 そんな活動の軌跡を集大成したこの作品集。う〜ん、これは欲しいな。
 そういえば先日までやっていた、上野の森美術館会田誠山口晃2人展は、見事に観損ねた。やっているのに気づくのが遅すぎた……。

(写真は7月1日撮影)