私が最も注目しているデザイナー・原研哉さんの本「デザインのデザイン Special Edition」を入手した。
かつて出されていた（今も売られている）素晴らしい名著「デザインのデザイン」（私のレビューあり）を増補改訂して最近の仕事も収録し、海外で出版した"Designing Desing"を、日本語版として出版したのが今回の本だ。
「デザインのデザイン」は本当に素晴らしい本だ。仮に感銘を受けたり大きくうなづかせるような文章に付箋をつけていったら、ほとんど全ページに付箋がついてしまうのではないかというくらいだ。今回のSpecial Editionは、基本路線はもちろん一緒なのだが、判型も大きくなり、「デザインのデザイン」出版以降の仕事も収録されているうえに図版がすべて４色（カラー）で入っているので、私のような原さんのファンにはたまらない一冊だ。とても立派な本の造りなので少々お高いが、手に入れる価値は十二分にあり。
原さんの仕事の、最も素晴らしい特徴は、きちんと考え込まれた上でのミニマルさと、素材感や「白」へのこだわりの強さだ。その名前を一躍世に知らせた「銀座松屋」にリニューアルプロジェクトや、一連の無印良品のアドバタイジング作品、素晴らしい装丁の数々や多くのクリエイターたちと企画した、新しいデザインを世に問う企画展など、数々の素晴らしい仕事が、この本で一覧できる。それらの仕事に一貫した思想が裏付けられていることが、ご本人の言葉で丁寧に語られている。素晴らしい一冊だ。
- 日本デザインセンター 原デザイン研究所（原研哉さんが主宰するデザイン事務所のサイト）
（写真は昨日、自宅にて撮影）
