out of noise

studio_unicorn20090328

out of noise(数量限定生産)
 坂本龍一さんの新譜"out of noise"をようやく入手。
 先日HMVの店頭で試聴して、とても素晴らしかったので購入しようと決めていたのだった。
 簡易ジャケットの通常盤とブック型ジャケットの限定盤の2種類が出ているが、装丁・デザイン重視派の私はもちろん迷わず限定盤のほうを購入。価格にカーボンオフセットが含まれているしね。
 さっそくアルバムを通してじっくりと聴いてみるが、これが実に素晴らしい。非常に静謐かつミニマルな、たいへんに上質な現代音楽の境地に心安らぐ思いだ。ジャケットデザインもまた、その音世界を共有しているようで素敵だ。特に、冒頭の"hibari""hwit"や最後のcomposition 0919"などは、まさにスティーブ・ライヒSteve Reichフィリップ・グラスPhilip Glassがかつて提唱した、「差異と反復」で構成されるミニマル・ミュージックの正統をよく踏まえてさらに発展させ、実に素晴らしい。他方で"nostalgia""tama"などでは、かすかなノスタルジーとメランコリーを漂わせ、ジャンルに捕らわれないさまざまな楽器を活用したアンビエントな音の響きがたまらなく心地よい。
 アルバムタイトルの"out of noise"に象徴されるように、今回のアルバムはよりいっそう"音"に、その響きにこだわった感がある。これは、これから長いこと愛聴するアルバムになりそうだ。

(写真は3月15日に、国立新美術館にて撮影)