英国2日目・Chipping Campden

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 オックスフォードOxfordからコッツウォルズCotswoldsの村のひとつ、チッピング・カムデンChipping Campdenに移動。我々夫婦がこの村を訪れるのは、これで二度目。7年前にコッツウォルズに来たときには、こことバイブリーBiburyを訪れたのだった。(今回はバイブリーは残念ながら割愛した。ここも素晴らしい村なんだけれどね)
 この村の家々は、よく「はちみつ色の家」などと言われているが、前に訪れたときに見たのは、どの家もグレイがかったベージュの壁の家々ばかり。「こっちではこの色をはちみつ色というのかなあ?」などと言っていたのだが、のちになって、あの家々に夕陽が当たるとはちみつのような黄金色になることから来ているのだと知って、なるほどと思ったものだ。
 それは別にしても、この村の家々は、どれをとってもとても可愛らしくて良い。どの家も庭をきれいに手入れして、さまざまな花々を植えているのも、実に美しい。村の中心には、中世以来の建物や素朴な町並みが、きちんと保存されているのも素晴らしい。何度来ても心が穏やかになる村だ。

英国2日目・おいしいスープのひととき

 Chipping Campdenを歩いていると、とても古い建物で営業しているティーハウスを見つける。ランチも出しているようなので、昼食にと入ってみた。
 スープやサンドウィッチを中心とした、素朴だけど美味しそうな食事がメイン。きっと昔の英国の農民はこんなものを食べていたんだろうな、と思わせる。まさに古き良き英国の農家という風情のアンティークな店内、家族経営のアットホームな雰囲気もとても好感が持てる。
 我々4人は、めいめいスープとサンドウィッチやらキッシュやらジャケットポテトやらがセットになったスープセットを注文した。もったりしたスープがとても素朴な、だけどとても美味しい!

  • Badgers Hall(英語のみ。Bed & Breakfastも経営しています)

英国2日目・walking is pleasure

 英国ではカントリーサイドのウォーキングはとてもポピュラーなスポーツ&レジャーで、英国全土にはパブリック・フットパスPublic Footpathが網羅されている。このPublic Footpathは、私有地の中だろうと畑のど真ん中だろうと羊がうようよいる牧草地のど真ん中だろうと、全ての人に通行が保障されているという、英国ならではの素晴らしい制度なのだ。許されているのは歩行のみ(時には自転車・乗馬もOKのこともある)。
 大抵は土を踏み固めた道(らしきもののことも)があるが、ほとんど道なき道のこともあるし、ゲートを越えたらどーんと原っぱが広がっていて、どっちに向かったらよいのか途方にくれることもある。そんな状況でどうやって歩けるのかと思われるだろうが、ご心配無用(?)。ちゃんとPublic Footpath等と表示された方向指示つきの標識があったり、ゲートの端っこに矢印のシールが貼ってあったりするので、それにしたがって歩けばよいのだ。
 が、やはり地図は必携であるし、なぜかいつも指示どうりに歩いているはずなのに迷ってしまったり、違うFootpathに入ってしまったりしてしまう。前述のようにどーんと目の前に平原が広がっているだけで道が判別できず、途方にくれてしまうこともある。ちょっとしたオリエンテーリング気分も味わえるのだ(笑)。
 それでも、田園風景を見ながらのウォーキングは素晴らしく気持ちがいいし(時に汗はかくが)、標識を見つけたり、家畜が逃げないようさまざまな工夫がされているゲートを越えるのも楽しい。7年前にCotswoldsに来たときも、3年前に湖水地方The Lake Districtに言ったときも、最大の楽しみのひとつはこのフットパス・ウォーキングだった。
 今日もさっそく、Chipping Campden最大の景勝地ドーヴァーズ・ヒルDover's Hillへ向かってウォーキングしてみた。7年前にここを訪れたときにも歩いたのだが、そのときよりも道が整備されていて歩きやすくなっているような気がする。気温が高く、かなり陽射しが強い日なので、こちらでは珍しくけっこう汗が流れる。なるべく日陰を選んで歩くよう心がける(陽射しの強いヨーロッパに来ると、自然とこの習慣が身につく)。でも周囲の田園風景は、本当に素晴らしい。
 汗をふきつつDover's Hillに着くと、丘陵地帯は羊で溢れて(笑)いた。どうやら今年はここが放牧地になっているらしい。羊の落とし物をよけつつ丘陵に立つと、Cotswoldsの田園風景が遥か遠くまで見渡せて絶景。吹き渡る風も心地よい。(写真は、Dover's Hillで羊をバックにくつろぐ同行のクマたち)
 帰りは、Footpathを大きく回って平原地帯、森林地帯、そして麦畑のど真ん中と歩きまくり(お約束どおりちょっと道に迷い)、まさにFootpathの醍醐味を堪能しつくして村に戻ったのだった。

英国2日目・The Cotswold House Hotel

 さてChipping Campdenで宿泊したのがコッツウォルド・ハウスThe Cotswold House Hotelというホテル。先日「ねばつくプディング」を紹介した、例のホテルである(2005年6月14日の日記参照)。外観は村の古い建物をそのまま使用しているのだが、内装は素晴らしくモダンで快適。客室も一室一室異なった内装が施されていて、電話やオーディオがなんとBang & Olufsenのとてもグッドデザインなものが使われている。とても素晴らしいデザインホテルであった。随所に使われているホテルアイコンも気に入った。またホテルの裏手には広い庭があり、これがまたきちんと整備されていて花々が咲き誇り、ほんとうに素晴らしい。このホテルのモダンな快適ぶりの片鱗は、ホテルのホームページで見ることができます(日本語はやや微妙だが)。
 実は7年前のときには、この隣のThe Kings Armsというホテルに泊まり、このホテルの存在もそのときに知っていたのだが、こんなにお洒落なホテルという印象がなかった。従業員の人に聞いてみると、果たして2000年に現在のオーナーがこのホテルを買い取り、今のように改装して「甦った」のだという。庭も荒れ放題だったそうだ。ちなみに、Kings Armsもずいぶんとお洒落な感じに変わっていた。
 さて件の「ねばつくプディング」だが、実は食べなかった(激しく後悔)。つい向かい側の姉妹ホテルNoel Arms Hotelにある、オリエンタルレストランで夕食を食べてしまったのだった。あとから思うとすごく残念。またこのホテルに来なければいけなくなった(笑)。それでも、翌日の朝食は、素晴らしい裏庭のガーデンでいただくことができて、みんなボリュームたっぷりのイングリッシュ・ブレックファーストEnglish Breakfastに舌鼓を打ったのだった。