再び氷上の舞

studio_unicorn20060224

 朝起きたら6時15分。あわててテレビをつけ、トリノオリンピック・女子フィギュアスケートのフリープログラムを観る。ちょうどサーシャ・コーエンが演技している。なんとか間に合ったようだ。以下、観ながらの感想。
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 コーエンは冒頭のジャンプで失敗したらしい。それでもテレビをつけて観た範囲では、実に優雅で「素晴らしい演技」の一言だった。小さい体が大きく見えるほど。きちんと失敗から立て直したらしい。すごい。
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 荒川静香はほとんどノーミスの、完璧といってもいい演技。少々安全策をとった節もあるのかもしれないが、長身を生かしたダイナミックかつ優雅な演技は文句なし。素晴らしい。観客も引き込んで味方につけた。スタンディングオベーション。この時点でのトップ! パチパチパチ。
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 村主章枝も目立ったミスはなく、かなりがんばったとは思うが、ひとつひとつの要素が少しずつ物足りなかった。安全策だったのか? トリプルジャンプがダブルになったり……。採点ではその辺が響いてしまったようだ。特に中盤のコンビネーションジャンプが二回転−二回転になってしまったのは痛かった。
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 マイスナーはちょっと危なっかしいで、観ていてヒヤヒヤした。これからの人?という感じ。この時点で荒川の銀メダル以上は確定。
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 そして最終滑走、スルツカヤ登場。最初のトリプルジャンプの高いこと! ロシアの選手らしい、手先の動きひとつとっても芸術的でいい感じ。でも緊張しているのかちょっと表情が硬いぞ。と思っていたらジャンプで転倒。う〜ん、とても100%とは言えない演技だったかな……。 どうしたスルツカヤ
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 スルツカヤはやっぱり点が伸びず、銅メダル。この新採点法では、どんなに実力のある選手でも、その目の前の演技の内容を厳しくチェックされるのだ。怖いものである。
 荒川静香、金メダル! おめでとう! 日本人初めての、フィギュアスケート金メダル。素晴らしい結果を出せたことを祝福したいと思う。
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 今回のオリンピックを観て思ったのは、ビールマンスピンの大流行。10年ほど前では、ほとんどできる人がいない難易度の高い技だったのに、新採点法の影響か、積極的に取り入れる選手が多かったなあ、と思った。
 それから「イナバウアー」。なんだそれは?と思って、はてなのキーワードを見ても「説明が難しいので、写真を参照」って書いてあるだけ。で、結局なんなの? スパイラルの一種、ってことなのかな。誰か教えてください。
 (追記)と思っていたら、その後のニュースで、アナウンサーが分かりやすく説明してくれていた。要するに「スパイラルの最中に、上体を大きく後ろに反らした姿勢をとること」なのですね。よく分かりました。すらりとして長身の荒川にはよく似合った技だと思う。
 また、荒川本人がインタビューの中で「何より精一杯オリンピックを楽しもうと思っていた」というような意味のことを言っていたが、そのあたりの無欲な姿勢や心の持ち方が、かえって金メダルを呼び込んだのかな、とも思う。これこそ、本当の意味で正しいオリンピック参加の仕方じゃないかなあ。
 (さらに追記)さらに正確に言うと、イナバウアーはスパイラルの一種とは認識されていないようです。だから点がつかないのですね。それでも「自分の技」として、「お客さんに楽しんでもらうために」イナバウアーをやる荒川。その考え方は本当に素晴らしい。フィギュアスケート選手って、本来はこうあるべきだと思うんだがなあ。
 (さらにさらに追記)その後いろいろ見ているうちに、イナバウアーについて認識違いをしていることに気づいた。あれは上体を反らすのがイナバウアーなんじゃなくて、そのときにやっている足技をイナバウアーと呼ぶらしい。でも、マスコミ及び一般庶民には、すっかり「上体を反らすこと=イナバウアー」になってしまっているようだ……。
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 そうそう、安藤美姫は15位だったそうな。とりあえず、これからに期待、ですなあ。

  • Torino 2006(オフィシャルサイト。イタリア語、英語、フランス語)
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