溢れんばかりにブリティッシュ

The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe
 妻と渋谷へ出かけ、映画館で「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」を観た。
 「指輪物語」は高校時代に読破した私だが、「ナルニア国ものがたり」のほうは、小学生のときに初めの2巻を読んだだけだった。今回の映画は、ディズニーだし(←謂れのない偏見)子供が主人公だし、ちょっと子供だましな映画になっちゃっているんじゃないのかなあと、正直あまり期待していなかった。
 が、それはまちがいでした。予想していたよりもはるかに面白かったです。すごく格調高く作られていて、お子ちゃま向きな「媚び・手抜き」は一切ナシ。それになんと言っても溢れんばかりの英国らしさ! 主人公の4人を初め、みんな素晴らしくブリティッシュな英語をしゃべっているし、冒頭に出てくる駅のアナウンスなんて、今の英国の駅のアナウンスとほとんど変わらないほど。
 ナルニア国の世界の表現も素晴らしく、終盤の戦いのシーンも壮大でよかった。それにしても戦う白の女王のカッコいいこと! リーアム・ニーソンが声を演じているアスランの重厚で雄々しいこと! 四兄妹ももちろん良かったですがね。
ライオンと魔女(ナルニア国ものがたり(1)) ライオンと魔女 (カラー版 ナルニア国物語 1)
 それから、ハリー・グレッグソン=ウィリアムズHarry Gregson-Williamsの音楽が素晴らしい。ウィリアムズは、名作「キングダム・オブ・ヘブン」(私のレビューあり)でも素晴らしい音楽をつけていたが、今回もまた、さまざまな民族楽器を使っていいスコアを書いている。サントラ買っちゃおうかな。エンド・クレジットの歌ものはちょっと興ざめだったが。本当にいつも思うのだが、映画には安易に歌ものを入れないでほしいと思うぞ。オープニングの主題歌は良かった。
 予告編では、「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」の予告をまた観ることができたのが嬉しかった。すごく楽しみ!
 あと、「花よりもなほ」という日本の時代劇映画の予告が出てきたのだが、この予告のバックに流れている音楽に、おやと思った。私が以前ものすごく大好きだった(今でも好きだが)、リュート奏者つのだたかし率いるタブラトゥーラTablaturaの音楽にすごく似ていたのだ。気になったのであとで調べてみたら、やっぱりこの映画の音楽はタブラトゥーラが担当しているらしい。日本の時代劇に、ヨーロッパ中世の古楽器の音楽。ミスマッチなようで、案外合っているかもしれない。日本映画には興味がなく、よほどのことがない限り観に行かない私だが、タブラトゥーラの音楽を聴きたいだけでこの映画を観たくなってしまった。というよりサントラ(出るのか?)を買えばいいのか? でも映画の中での使い方も気になるなあ。そういえば、タブラトゥーラのライブもずいぶん行ってないなあ……。