愛すべき暴れん坊

暴れん坊本屋さん(2) (ウンポコ・エッセイ・コミックス) 暴れん坊本屋さん (1) (ウンポコ・エッセイ・コミックス)
 先週ちょっと読む機会があり、すごく面白かったので2巻まとめて購入してしまった「暴れん坊本屋さん」。作者の久世番子さんは、少女マンガ家兼現役の書店員さんという、ちょっと面白い"二足のわらじ"を実践している方である。つまり、本を作り、販売する流れのもっとも川上と川下の両方にコミットしている、なかなか貴重な体験をなさっている方なのだ。
 「暴れん坊本屋さん」は、そんな久世さんが、書店員として体験した苦労話やエピソードなどを、ギャグたっぷりに描いたエッセイまんがなのだが、これが面白い。まずギャグが面白い(時に「やおい臭」が強すぎるきらいはあるが……)。オバQみたいなデフォルメをしたご自身のキャラがまた、絵的にも面白い。書店の裏事情・バックヤードでの出来事も、詳細かつ面白おかしく描かれていて、私(元編集者)のような、出版流通を多少でも知っている人にはたまらなく面白いのだが、そういう業界にもまったく関わりのない人でも、書店さんの仕事ぶり・裏事情や奇々怪々(笑)な出版流通のしくみが分かるので、オススメである。それから、机上の空論や思い込みだけで本を作り、「ギョーカイで〜す」な勘違いをしている一部のバカ編集者どもには、「書店員の苦労を知れ!」ということで課題図書にすべき本(笑)だ。オススメ!

  • 大西電電(久世さんが管理するホームページ。徐々に活動の幅を広げられているようです。がんばれ!)