懐かしのASIA

Alpha
 急にエイジアASIAがすっごく聴きたくなったので、セカンドアルバム"Alpha"を聴く。エイジアは、ちょっと泥臭い曲も多いファーストアルバムよりも、こっちのほうが全体的には好きだ(3枚目以降はよく知らない)。
 散々「つぎはぎバンド」だの「見せかけだけ」だの言われていたエイジアだが、私にとってのエイジアの魅力は、まさにそのキラキラした見せかけの大仰さなのです。
 ジョン・ウェットンのヴォーカルは下手だし、時に濃すぎるアレンジに辟易する部分もあるのだが、それを補って余りあるキーボード(というよりシンセ)サウンドと、遥か彼方のファンタジー・ワールドへ飛ばされそうなくらいに素晴らしいコーラス・ワークこそが、エイジアの全てと言っていい。
 そう考えると、曲の始めから仕舞いまで全部いい、という曲はあまりなかったりする。まあ勢いで全曲聴けてしまうのだけれども。
 6曲目の"Eye To Eye"なんて、ヴォーカルの歌い出しのひどさに我が耳を疑ったりするほどだが、コーラス部分になるとまるで別人のように(笑)神がかったコーラス&アレンジで(効果的に挿入されるピアノが絶妙)ウワーッと気分が高まり、気分はまさにロジャー・ディーンが描くジャケット画のようなファンタジー・ワールドに。一番気に入らない8曲目の"True Colors"にしたって、中盤のリフレインの盛り上がり方は"神!"と思ってしまうくらい素晴らしい。そういう素晴らしい瞬間が味わいたくて、結局全部聴いてしまう。すごく頻繁には聴かないけれど、時々思い出したように聴き込んでしまうアルバムなのです。
 ところで、このアルバムの中でも大好きなのが、9曲目の"Midnight Sun"なのだが、この曲を聴くと必ず、かつて下北沢にあった同名のバーを思い出す。多分、名前の由来はこの曲とは何の関係もないだろうとは思うが。ガラス張りの入り口、白で統一された素敵な内装、美味しいスコッチやカクテル。それこそid:wineさまなどと学生時代しょっちゅう行ったし、妻と初めて行った店がここだったりもした。懐かしい、思い出深いバーでした。

  • The Official Asia Web Site(現在のエイジアのオフィシャルサイト。英語のみ)
  • The Official Original Asia Members Site(こちらは「結成当初のメンバーのエイジア」のオフィシャルサイト。英語のみ。なんで別に存在しているのかは不明。なんか内紛の香りがしてエイジアらしいけど。各メンバーやロジャー・ディーンのオフィシャルサイトもあるようです)