「ピンクの豹」

ピンク・パンサー リミテッド・フィルム・コレクション DVD-BOX
 先日購入した「ピンク・パンサー リミテッド・フィルム・コレクション DVD-BOX」だが(2006年5月9日の日記参照)、さっそく妻と第1作「ピンクの豹」を観た。
 なんと初公開年は1963年! いかにもその時代の映画らしい、ベタで分かりやすいギャグが満載で、なんともレトロでおしゃれな雰囲気がいっぱいのコメディ映画。そんなクラシカルでレトロな感じが、今観るとかえって新鮮だったりする。
 怪盗と王女様の淡いロマンス、騙し合いに駆け引き、パーティーだらけの優雅な上流社会に、極めつけはもちろん、数々のドタバタを引き起こすドジな迷探偵・クルーゾー警部。つまづいたり転んだり、騒ぎを何倍にも膨れ上がらせる。昔の米国ギャグの基本みたいなネタがオンパレードで登場。
THE PINK PANTHER
 そして、忘れてはならないヘンリー・マンシーニHenry Manciniの音楽。あまりにも有名なテーマ曲ももちろん素晴らしいが、劇中に登場する、いかにも60年代らしいムーディーでお洒落なイージーリスニング曲の数々が、また実にいい。特に、劇中で歌われる「今宵を楽しく」(だったかな?)"It Had Better Be Tonight"が、一度聴いたらいつまでも耳に残ってしまうほど印象的なメロディだ。
 ありがちな中にも、コード進行やメロディにひねりや遊び心を盛り込んだマンシーニの音楽の数々。映画を離れて、音楽単体としても素晴らしい。サントラ盤を買ってしまおうかな。
 おとぎ話のようなピュアで単純な、かつワケわかんない展開がなんとも面白い。いや、なかなか"粋"な映画ですぞ。