「エルンスト・バルラハ展」

studio_unicorn20060521

 2日続けてとてもいい天気(昨日は夕方に激しいにわか雨があったが……)なのに、私の体調が良くない。頭痛と胃痛がする。今日もすがすがしい気候なのに……。本当は3か所ほど行きたいところがあったのだが、会期終了が近い「エルンスト・バルラハ展」以外は諦めることに。世田谷アートフリマ、今回も行けなかったなあ〜。
 というわけで午後、妻と上野へ。上野は、世田谷の我が家からはけっこう距離があるので、行くのが億劫に感じてしまう。用事がなければなかなか行かないなー。芸大界隈を歩くのは初めてかもしれない。なかなかいい雰囲気。
 東京藝術大学大学美術館で開催中の「エルンスト・バルラハ展」。うまいことにタダ券をゲットしていたので、観ようと思っていたものだ。このドイツ表現主義の彫刻家の作品は、日本でまとまって観られる機会はそうそうないだろう。
 芸大美術館はそんなに規模が大きくなく、展示作品数も多すぎず少なすぎず、じっくり見るのにちょうどよい感じ。建物も素敵で周辺の環境もよく、好印象を持った。
 バルラハの作品の目玉は、なんといっても木彫りやブロンズの彫刻作品。ほとんどが人物を扱っているのだが、衣服のフォルムをスパッと単純化して、全体として見るととてもソリッドでシンプルなのに、手足や顔のディテールが妙に写実的だったりして面白い。その造形の妙が、像全体から醸し出される力強さや静謐さを形作っているのだろう。
 また、素描や版画の作品も多く展示されていた。不勉強な私は、バルラハというと彫刻のイメージしかなかったので、平面の作品もこんなに作っていたことが意外だった。それらの版画や素描でも、形体を大きく面で捉える独自の硬いタッチは健在で、やはりこの人は立体作品=彫刻こそが本領なのだろうと、かえって強く感じたのが面白い。
 すっかり満足して、上野公園内と不忍池周辺を少し散歩して帰宅。もう少し体調が良かったら、早めに出てきて周辺をいろいろ見て回れたのだが仕方ない。天気が良いのでさすがに公園内の人出は多い。絶好の散策日和だしね。