物欲の奔流

薬指の標本 (新潮文庫) いつか王子駅で (新潮文庫)
 が押し寄せています。やはりストレス解消には、物欲を満たすのも大切なのかも知れん。哀れなり消費社会に生きる現代人よ(笑)。
 というわけで、肌寒いくらいに涼しい今日も、書店で文庫本を2冊購入。とある事情によりこのところ文庫本ばかり買っている。
 デザイン好きで装丁重視な私は、基本的にはハードカヴァーの単行本が好き(もちろん装丁にもよるが)。一時期まったく文庫を買わなかったこともあった。やっぱりお仕着せの装丁やつるつるした紙のカヴァーでは、デザインの幅にも限界があるし、どうしても単行本のときの魅力が薄れてしまう。それでも、最近は文庫を買う頻度が高まってきている。多少妥協したというのもあるが、先日言及した(2006年9月8日の日記参照)光文社の「古典新訳文庫」のように、文庫自体の装丁がとても良いものが出てきた、ということもあるのだろう。今日購入した堀江敏幸さんの「いつか王子駅で」と小川洋子さんの「薬指の標本」は、そのいい例だ。
 「いつか王子駅で」は、先日「熊の敷石」を読んで(2006年9月1日の日記参照)、もう少し堀江敏幸さんの小説を読みたくなったので購入。ハードカヴァーもあったのだが、この文庫の、可愛らしい電車の模型らしき写真が素晴らしかったので、この本では文庫に軍配。
 「薬指の標本」もカヴァーが素敵だったので衝動(?)買い。ちょうどこの小説の映画が公開されるので(日本の原作をフランスで映画化)、それが気になっていたのもある。ちょっと観てみたい映画だったのだ。