物語の勝利

最後のウィネベーゴ (奇想コレクション)
 書店で、コニー・ウィリスConnie Willisの短編集「最後のウィネベーゴ」が出ているのを見つけ、迷わず購入。
 考えてみると、これまでに読んだウィリス氏の小説は長編ばかりだったから、短編集を買うのは初めてだ。今まで読んだ長編はどれも、物語の面白さ・凄さを存分に発揮した素晴らしい作品ばかりで、今ではすっかりコニー・ウィリス氏の大ファンな私である。卓越した物語構成、個性的で印象的な登場人物たち、悲劇と喜劇を巧みに同居させる筆力、どれをとっても素晴らしい。
 中世と近未来を往復する長大な物語で、全人類の課題図書にしたいくらいの名作「ドゥームズデイ・ブック」や、その姉妹編「犬は勘定に入れません」(私のレビューあり)、そしてアクロバティックなストーリー展開で度肝を抜いた大作「航路」(私のレビューあり)……と、綺羅星のごとき長編に対して、今回初めて読む短編はどんな感じなのか、今から読むのが楽しみだ。
 と言っても、本音としては、ウィリス氏の新しい長編小説のほうをを早く読みたい気持ちがすごく強いのだが。それはいつの日のことだろうか。長ければ長いほどイイぞ。
ドゥームズデイ・ブック(下) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-5) ドゥームズデイ・ブック(上) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-4) (ハヤカワ文庫SF)