あたたかく、やわらかく

あなたはひとりぼっちじゃない 新潮クレストブックスくらやみの速さはどれくらい (海外SFノヴェルズ)
 3月19日の日記で少し言及した、イラストレーターの牧野千穂さん。今までも、書店で彼女が装画を手がけた書籍を見かけるたびに、とても気になる存在だった。牧野さんの描くイラストがとても好きなのだ。
 最初に気づいたのは、エリザベス・ムーン著「くらやみの速さはどれくらい」(小説そのものについては私のレビューあり)だった。正直言うと、この本は装丁買いだった。作者も話の内容もよく知らないのに、とにかく牧野さんのイラストが素敵だったのだ。
 それ以来、牧野さんのあたたかく、やわらかい雰囲気のイラストがとても気に入っていて、書店で牧野さんのイラストが表紙の本を見かけるたびに、買ってしまいそうになるのをグッとこらえて(笑)いる。ちょっと輪郭がぼんやりorざらざらしたタッチのイラストは、方法こそ違え、私が作っている作品との共通点を感じさせて、それがよりいっそう親近感を増している。さらに、絵の中の、ちょっとファンタジックな世界に登場する、動物たちや物体たちの可愛らしさ。今までの作品を集めた画集を、ぜひ出してほしいものだ。というより、まだ出ていないのが不思議なくらいなのだが。