「LiVeRiMiX」展

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 今日も素晴らしくよく晴れて、くっきりとした青空がすがすがしい。しかし、暖かいを通り越して、暑い。家の中にいる分には、それほど暑くは感じないのだが。
 妻と自転車で砧公園に行く。世田谷美術館の区民ギャラリーで、本日から五位野健一さんの個展「LiVeRiMiX」が開かれているのだ。五位野さんの個展にはこれまでも数回訪れていて、すでに周知の仲だ。1月のミニ個展(1月28日の日記参照)は別にして、本格的な個展としては約1年ぶりだ(2006年5月7日の日記参照)。
 今回はどんな作風で、また「公開制作による個展」とはどんなことをするのだろうと、興味津々で会場を訪れると、壁一列にぐるりと、パネル状のキャンバスがかけられていてびっくり。最初は全部まっさらなパネルだが、一日一巡ずつ絵具でどんどん塗り重ねてゆき、時にパネルを入れ替えたりして違う組み合わせをして、抽象画の持つ偶然性・意外性を楽しみつつ制作するという試みなのだそうだ。「Live」=公開制作、「Limit」=どんどん変化するゆえひとつの絵はその場限り、「Remix」=パネルを入れ替え組み替える、ということで「LiVeRiMiX」らしい。いやあ、その発想が実に面白い。限りなく観客参加型の、とてもユニークな企画だなあ。安い区民ギャラリーならではの、こういう使い方もあるのだなあ、と感心してしまった。Live paintingというとポロックを思い出すが、この五位野さんの試みは、ポロック並みにユニークだ。
 久しぶりにお会いした五位野さんと楽しく語らう間にも、五位野さんは絵筆を振るい、パネルをあちこち入れ替えていく。どんどん絵が変わってゆく。異なった表情を見せてゆく。抽象画なので、観る人によって違うものが見えてきたり、感じ方も実に様々だ。展覧会というと、通常は(私のも含めて)非常にスタティックな、オープンの時点で全ての作品が出来上がっているもの、と思い込みがちだが、これは、オープン時にまっさらな状態からスタートして、常に作品が変化し、一瞬一瞬で異なった表情を見せていく。まさに「変わりゆく展覧会」と呼ぶべきだろうか。常に完成かつ、常に未完成。
 「LiVeRiMiX」展は5月6日(日)まで開催中。最終日には、会場の「作品」は、どのように変化しているだろうか。できれば、最終日あたりに、もう一度観に行きたいものである。

(写真は、刻々と変わりゆく五位野さんの作品のうちの一部。なお、この画像に限り、著作権は五位野健一さんとSTUDIO UNICORNの両方に帰属しますので、二次使用には両方の承認を得る必要があります。ご留意ください)