GYRE

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 妻と一緒に渋谷へ行き、渋谷からぶらぶら散歩がてら表参道へ。先月オープンしたばかりの「ジャイル」GYREへ行く。
 最近やたらとショッピングビルの新オープンが続くが、最近の中では一番面白かったかな。
 まず建物が面白い(写真)。オランダの建築家集団"MVRDV"が手がけたこの建物は、GYREのトレードマークにもなっているほど特徴的な外観だ。斜めのラインと意図的に少し欠けたような途中フロアが面白い。ちょうど2階のギャラリー"EYE OF GYRE"ではこのMVRDVの展覧会が開かれていて、彼らがこれまでに手がけた&現在進行中のユニークなプロジェクトを概観することができる。
 中に入っている店は、まあ高級な店が多いのだけれど、けっこう楽しめる。ブランドのシャネルChanelとブルガリBVLGARIはまあおいといて(ブルガリのカフェだけは気になったが、高そうだなあ)、メゾン・マルタン・マルジェラの新店"Maison Martin Margiela Omotesando"が出来たのは興味深い。でもこっちの店は「けっこうふつうの洋服屋」という感じで、恵比寿の本店のように、まるで作品を展示するギャラリーかと思うような、何も買わなくても楽しい個性的な店作りではなかったのが残念。まあ、こんなものか。
 3階の「MoMAデザインストア」は面白かった。このビルのひとつの目玉なのか、訪れている人もこの店が一番多かったように思う。新聞で知ったのだが、ニューヨーク近代美術館MoMA)グッズの日本での販売は、三洋電機がオンラインで既に始めていたが、GYREを作った竹中工務店MoMAストアの招致を考えていたとのことで、三者の思惑が一致してこのたびの日本初出店(実店舗での)となったらしい。美術館がなくてショップだけあるというのもどうなのよ、と思わないでもないが、それでも楽しい&洒落たグッズの数々を見てるだけで楽しいのは確かだ。また来てみたいな。
 さらに、同じフロアには「ギャラリー ホワイトルーム トウキョウ」"Gallery White Room Tokyo"という写真専門のギャラリーがあるのも嬉しい。私好みの真っ白な空間。本気で写真を扱うギャラリーのようだ。訪れたときには、トッド・エバリーTodd Eberleによる、ヴィンテージのオーディオやコンピュータを写した、高度にアーティスティックな写真作品の展示と、ホンマタカシ氏による、世界の名建築を独自の感覚で写し取った作品の展示が行なわれていて、どちらも点数はさほど多くないながらも見応えのある展示だった。今後の展示も期待してみたい。
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 4階のレストランフロアは4軒しか入っていないが(5階にはバカ高そうな鉄板焼レストランが一軒だけで占領している)、フレンチビストロの雰囲気たっぷりの「ル・プレヴェール」"Le Pré Verre"や、ミッドセンチュリー風の内装でスモーク料理中心のダイニングラウンジ「スモーク バー&グリル」"Smoke Bar & Grill"、そしてポルトガル沖にあるマデイラワインで有名なマデイラ島の料理が中心という、珍しい「ペローラ アトランチカ」"Pérola Atlântica"と、面白そうな店ばかり。どれもちょっと値段が張りそうだが、機会があれば行ってみたいなあ。特にマデイラ島の料理というのはどんなものなのか、興味津々だ。
 この4階には外に出られるテラスがあり、表参道を見下ろしたり周囲を眺めたりすることができる。考えてみたら表参道界隈って、意外にこうやって高いところから(ガラス越しとかではなく)景色を眺めることができる場所がなかったように思う。というわけで、表参道ヒルズを越えてかなり遠くまで見渡せて(右の写真)、なんだか新鮮な眺めだったりするのだ。
 地下は食料品店が入っているのだが、これまた異様に高いベーカリーとか、カルディなのに高級な商品ばかり並んでいて「安くないカルディなんてカルディじゃない!」と叫びそうになるカルディKaldiが入っていてびっくりさせられるのだが、軽井沢を本拠とする「セルフィユ」"Cerfeuil"が入っているのは素直に嬉しい。ここのオリジナルのディップやジャムは最高なのです(6月16日の日記参照)。さっそくドライトマトのディップを購入してしまった。
 小ぢんまりとしている割にはけっこう充実しているGYRE、また来てみることにしよう。