誰もいない風景

studio_unicorn20081114

 仕事の昼休み時間を利用して、神保町の「ギャラリーメスタージャ」Gallery Mestallaというギャラリーで開催されている、大畠まゆみさんの写真展"Fallow fields"を観る。
 大畠まゆみさんの写真はかつて、ほぼ3年前に一度だけ観たことがあったので(2005年10月22日の日記参照)、これが二度目になる。作者の故郷らしい田舎のだだ広い風景の写真が淡々と並んでいる。どの写真にも誰も写っていない。ひたすら無人の風景。何気ない眺めのように見えるが、フリードリヒの絵画のようなメランコリックな感傷や寂寥感を滲ませている。素晴らしい。すべての写真の地平線の高さが揃うようにトリミング&展示されているのも、細やかで心憎い演出だ。仕事の昼休みでなければいつまでも会場に佇んでいたい気持ちにさせられたほどだった。
 会場のギャラリーは初めて来たのだが、ミニマルなホワイトキューブの雰囲気と適度な広さが、なかなかいい感じだ。特に写真専門ギャラリーというわけではないらしいが、今まで開かれた展覧会は圧倒的に写真が多いようだ。こういうところでも作品展をやってみたいものだなあ。

(写真の夕空は、11月2日に上野にて撮影)