祝祭に満ちた音楽

Mgv / Piano Concerto
 昨年末に購入した、マイケル・ナイマンMichael NymanのCD"MGV & Piano Concerto"を毎日のように聴いている。
 お恥ずかしい話だが、(今まで映画などでは耳にしていたものの)マイケル・ナイマン氏の音楽をちゃんとCDで聴くのは、これが初めてだった。そもそもこのCDを買うきっかけになったのも、たまたま訪れたHMVのクラシック・コーナーでこのCDが流れていたのを耳にして、ものすごく惹きつけられてしまったからなのだった。
 収録されている2つの作品はどちらも90年代前半に作られた曲で、"MGV(Musique à Grande Vitesse)"はフランスの超特急TGVのために作られ、"The Piano Concerto"のほうはナイマン氏の名前を一躍有名にした映画「ピアノ・レッスン」のスコアを基に作られているらしい(マイケル・ナイマン - Wikipediaより参照)。
 いずれにせよ、どちらの曲も祝祭に満ちた大変ふくよかな曲で、それこそ年末年始のフェスティヴァルなどで演奏されそうな明るい雰囲気に、私はとても惹きつけられた。別に共通点があるわけではないが、それこそニューイヤー・コンサートなどで演奏されるようなワルツやポルカなどを連想してしまうのも、これらの曲の祝祭性の故か。オーケストラとともにサックスが使われて、多少スウィングしたような要素がプラスされている、というのもあるかもしれない。そんな祝祭の雰囲気を紡いでゆく旋律そのものはナイマン氏らしい非常に現代的でミニマルな旋律で、もちろんミニマル好きな私の好みのど真ん中。
 まさに年末年始に聴くに相応しい、祝祭に満ちた音楽だ。ジャケットやレーベルデザインも秀逸だし、ナイマン氏の他のCDも欲しくなってきたぞ。