「テキスタイ レ」展

studio_unicorn20060507

 GW最終日の本日は、あいにくの雨模様。午後に、妻とともに傘を差して出かけ、歩いて世田谷美術館へ行く。雨が降っていなければ自転車で行くところなのだが、今日は仕方がない。まあ、たまには歩いていくのもいい運動だ。
 そこまでして世田谷美術館へ行ったのにはわけがある。美術館内の区民ギャラリーで開催されている五位野健一さんの個展が、本日で最終日だったからだ。五位野さんの個展は、昨年の同じ頃にやはりこの区民ギャラリーで開かれていて(初個展だったそうだ)、偶然それを目にした私は、すっかり五位野さんの絵を気に入ってしまったのだ(2005年5月4日の日記参照)。今回、第2回展の案内ハガキをいただいていたので、どうしても五位野さんの作品を観たい私は、なんとか最終日に来ることができたのだった。
 今回の個展名は「テキスタイ レ」。その名のとおり、さまざまなテクスチャーや模様の布をカンバスに貼り付け、布に直接水彩絵の具で絵を描いている作品が並んでいる。布そのものの肌理や模様に、五位野さん独特のパッチワークのような、パステルカラーの優しい四角形などが描かれ、布地と絵の具が醸し出す効果がとても面白い。五位野さんに話を伺ったところ、ユザワヤの端切れコーナーで、いろいろあさった末に出会ったさまざまな端切れたちからインスピレーションを得て、これらの作品を描いたのだそうだ。ここでは、布選びがすでに作品作りの一部なのである。どの作品もとてもいい感じで、期待を裏切らない素敵な作品ばかりであった。「端切れを生かす」という意味では、今回はむしろ小さい作品のほうが重きを置かれていたように思う。
 部屋の中央には、ひときわ大きな布に描かれた作品が。これは、一昨日にこの会場で公開ペインティングを行ない、その場で描いた作品なのだそうだ。それはそれは見たかったなあ。でも一昨日は用事があったので、どっちにしろ見られなかったか……。残念。
 今回は、五位野さんとけっこういろいろ話すことができたのも良かった。話してみるとたいへん気さくな五位野さんは、作品の技法や展覧会のコンセプトなどについても話してくださって、作品鑑賞がより深まったような気がする。作品の写真撮影とこのウェブログ日記への掲載も快諾してくださった。ありがとうございます。
 そんなに長い間ではなかったが、実に充実した個展訪問&作品鑑賞であった。また機会があるなら、ぜひ五位野さんの作品を見たいものだ。

(写真は、五位野さんの展示作品のうちの一点。なお、この画像に限り、著作権は五位野健一さんとSTUDIO UNICORNの両方に帰属しますので、二次使用には両方の承認を得る必要があります。ご留意ください)