不死鳥の騎士団

studio_unicorn20070811

Harry Potter & The Order of the Phoenix
 猛暑の中を妻と一緒に銀座へ行き、映画「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」"Harry Potter and the Order of the Phoenix"を観る。
 まあ、あれだ。原作を読んでいる身としては、どうしても原作と比べてしまうのだが、この映画は、原作の3分の1くらいを映画化したものだ。と言わざるを得ない。シリーズ最長の小説を、シリーズ最短の上映時間で映画化した、ということを聞いた時点である程度予想はしていたが。
 ハリー自身にまつわるメインストリームやシリウスとのエピソードはちゃんと押さえられていて、そこはけっこう良かった。ダニエル・ラドクリフくんDaniel Radcliffeは、成長していい演技ができる俳優になったと思う。全編に満ちるBritish Englishを聴いているだけでも、英国びいきの私には嬉しいし。
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー・ポッターシリーズ第五巻 上下巻2冊セット(5)ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ポスター HP5PP-03
 だが、この第5巻の魅力のひとつだった、登場する膨大なキャラクターたちと大量のエピソードが、かな〜り端折られているのは、まあ仕方ないか。そんな膨大な登場人物をみんな出そうとしているものだから、みんなチョイ役みたいになってしまっているのはとても残念だったなあ。せっかく再登場したルーピン先生やムーディも、初登場のトンクスも、原作ではすごく魅力的だったのになあ……。あれじゃあ"とりあえず出しました"って感じだよ。登場人物が少なくなってしまうのは残念だが、もう少し整理しても良かったのでは。
 前作と今作は、すでに原作のボリュームからして通常の上映時間では無理なのは分かっていたけれど、問題は次だな。比較的短いので上映時間的には大丈夫そうだが、とにかくダークだし展開が地味だし、心理的な部分が非常に多いし。上手くアレンジして映像化すればものすごい傑作になりそうな気がするけれど、下手にやるととんでもない駄作になりそうな予感……。さて、どうなりますやら。

(写真は銀座にて。こうやって見ると、まるっきり「ブレードランナー」の世界だなあ)