噂は本当だったか

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 春頃より、かの永遠の名作「ブレードランナー」"Blade Runner"の25周年記念版をリドリー・スコット監督Ridley Scottが再編集しているらしい、デジタル・リマスターどころか追加撮影までしているらしいとの噂があったのだが、どうも俄かには信じがたくて(この映画にはさまざまな"伝説"が付きまとっている)、この日記にも書かずにいたのだが、どうやら噂は本当だったようだ。

 「ブレードランナー」。「スター・ウォーズ」とともに、我々の世代にもっとも強烈な影響を残した映画だ。なんと多くのクリエイターたちが、この映画の薫陶を受けたことか。「スター・ウォーズ」とは全然異なる、暗く重苦しい、暴力と混沌と汚染に満ちた未来の都市像。強烈に美しい映像の数々。そしてヴァンゲリスVangelisの音楽。ジョン・ウィリアムズJohn Williamsが「スター・ウォーズ」で、SF映画にクラシカルなスコアを導入して新境地を拓いたのだとすれば、ヴァンゲリスはこの「ブレードランナー」で、SF映画に改めて電子音楽を持ち込み、後に続くものたちへの「範」となったのだ。その他、語り尽くせないくらい様々な分野で巨大な足跡を残し、ある意味"基本"と呼んでしかるべき映画だ。

 それにしてもこの「ファイナル・カット」版、YouTubeにアップされているオープニング映像を見ると、これは全然違う映画なのか?と思ってしまうくらい今までのと違っていて、楽しみな反面、正直ちょっと不安だったりする。あんまりとってつけたような追加や変更はしてほしくないなあ。
 それはともかく、全米と同時に日本でも発売が決まっているらしい5枚組(!)のDVDセットのほうはものすごく楽しみだ。なんといっても、最初の劇場公開版とディレクターズ・カット最終版の両方が収録されるらしいのだ。両方ともにそれぞれいいところがあって大好きな私としては、これは朗報。アルミケースに入って所有欲をそそる豪華セットのようだし、まあ確実に買うだろうなあ。すごく楽しみですよ。
(写真の夕景は7月28日撮影)