「実に面白い。」

studio_unicorn20081124

「容疑者Xの献身」オリジナル・サウンドトラック
 雨の降りしきる中、妻と六本木ヒルズへ。なぜか最近六本木に来るときは、いつも雨が降っているような気がする(笑)。
 ヒルズ内のシネコンにて、映画「容疑者Xの献身」を観る。この日記でも前々から言及していた(2007年10月23日の日記今年9月1日の日記など参照)にしては、ようやく観ました、っていう感じですが(笑)。
 新聞の映画評か何かで、この映画は二重の原作を持つ云々と書いてあったが、まさにその通りで、東野圭吾さんの直木賞受賞小説の映画化であると同時に、大ヒットしたテレビドラマ「ガリレオ」シリーズの映画化なのだ。まあ、かの「踊る大捜査線」以来、ヒットしたテレビドラマの映画化というのは、かなり常套手段化してきたようにも思うが、このシリーズの場合は当初から映画まで"込み"で、というより映画こそが"本命"として企画されていたそうだから、相当の準備期間と気合いの入りようだ。また、企画段階から余程"当たる"という自信があったんだろうな〜とも思わせる。実際そうなったわけだし、そうなるのも当然のクオリティだったわけですが。
最愛(DVD付)
 柴咲コウさん演じる内海薫の存在と、登山のエピソードなどいくつかの追加・改変を除けば、かなり原作に忠実に作られた映画だったが、原作を既読の私でも非常に面白く観た。原作の重厚な人間ドラマを邪魔しない程度にテレビシリーズのテイストも程よく加えられていて(特に冒頭)、なかなか上手い仕上がりだったように思うな。さすがにテレビならではの極端にコミカルな演出(湯川が閃くと、時と場所を選ばず数式を書き出したり、みたいな場面)はなかったので、ややホッとした(笑)。
 なんといっても、天才数学者・石神を演じる堤真一さんの演技がピカイチ。天才だがうだつの上がらない感じを上手く出して演じており、本当にこの人の演技はすごいと改めて感心。昨年末の「ALWAYS 続・三丁目の夕日」といい今年夏の「クライマーズ・ハイ」といい、役柄の幅も広く、ホント大活躍だなあ。この堤真一さんと「ガリレオ」こと湯川を演じる福山雅治さんの、演技の"ぶつかり合い"こそが、この映画の最大の見せ所だと言ってもいいだろう。
 それにしてもこのシリーズ、これで終わりになってしまうのはつまらないな。新しく書かれた短編集とか最新長編「聖女の救済」とかも、ぜひ映像化して欲しいものだ。もちろん福山さん主演で。

(写真は、雨の降りしきる中のけやき坂通りイルミネーション)