ノルウェーの森へ

studio_unicorn20081126

芸術新潮 2008年 12月号 [雑誌]
 昨日発売の「芸術新潮」12月号のメイン特集は「ノルウェーの森へ 中世の美とオーロラの旅」。
 北欧の中でも、スウェーデンでもフィンランドでもなく、一冊丸ごとノルウェーだけ。
 素晴らしい。
 さすが芸術新潮は目の付け所が違う。
 ちょっと見直した。
 ノルウェー大好きっ子としては、非常に嬉しい特集だ。しかも、主に取り上げられているのはノルウェーの中世美術。まさに、私の好みどんぴしゃり。当然購入しました。遅ればせながらのハンマースホイ展のレビューも掲載されているし(しかも、書いているのは詩人の平出隆さんだ)。
 ノルウェーの中世美術といえば、真っ先に挙げられるのがなんといってもヴァイキング船と木造教会Stavekirke。特に木造教会は、森とフィヨルドの国ノルウェーならではの、独特の木造キリスト教建築として、中世以降ではヨーロッパでもほとんど類を見ない独特さが素晴らしい。木造ゆえお寺のような、でもキリスト教な、かつヴァイキング文化の異教の文様を継承した文様で装飾された、素晴らしく独特な空間。2003年に(私にとっては3度目の)ノルウェーへ旅行した際には、今回も大きく取り上げられているボルグンBorgundの木造教会を見るために、フィヨルドの奥の小さな村へ行ったものだ(写真、2003年7月9日撮影)。今回は、それ以外にも数多くの木造教会が取り上げられていて嬉しい。もちろん、雄大フィヨルドや冬のオーロラの写真なども満載だ。
ロマネスクの宇宙―ジローナの『天地創造の刺繍布』を読む
 旅を案内するのは、昨年4月号の英国ロマネスク特集(2007年3月26日の日記参照)でも登場した、中世美術史家の金沢百枝さん。というより、そのときの英国取材の際に、このノルウェーの企画が持ち上がったようだ。金沢さんなら、取り上げている題材や作品選びがいいのもうなづけるな。金沢さんのジローナの天地創造タペストリーについての著書はすごく欲しいのだけれど、かなり高いうえに本の装丁がイマイチなんだよなあ。
 誌面を見ているうちに、ノルウェー大好きっ子としては、また強烈にノルウェーに行きたくなってきた。
 来年の旅はノルウェーか?