「軽井沢シンドロームSPROUT」第5巻

軽井沢シンドロームSPROUT 5 (ヤングチャンピオンコミックス)
 かつてまんが雑誌の編集者を10年近くやっていたこともあって、どうもまんがを読むのは「お仕事」感覚になってしまうのと、巻数を追っかけるのが煩わしいこと&自分で購入するまんがの数が少ないことなどが理由で、私のホームページSTUDIO UNICORNのブックレビューには、まんがについては載せていない。
 しかし、この「軽井沢シンドロームSPROUT」は、現在私がリアルタイムに購入している(ほとんど)唯一のコミックスである。今日は発売したての第5巻を買ってきた。
 私には、(お仕事感覚を離れて)個人的に素晴らしいと思う、宝物のようなまんが作品が4つある。勝鹿北星浦沢直樹MASTERキートン」、水樹和佳子イティハーサ」、矢沢あい天使なんかじゃない」、そして、たがみよしひさ「軽井沢シンドローム」である。「軽シン」を読んでいた高校生の頃以来、本当にこの漫画の世界にハマって、それからも長い間、幾度となく全巻を読み返したものだった。私の母方が長野出身ということもあり、その舞台にすんなり入り込めたことも大きかったが、とにかく意味もなく(?)キャラがかっこいいのだ。私の中では名作である。
 そんな名作の続編というか、主人公の子供たちが活躍する(もちろん旧「軽シン」のキャラたちも登場する)のがこの「軽井沢シンドロームSPROUT」。とにかくすべての想いの前に、ひたすら「懐かしい」のです。よくも悪くも旧「軽シン」をなぞった物語だし(シンメトリーなのか?)、特にすごく目新しいことが起こるわけではないのだけれど(笑)、ひたすら「軽シン」へのかつての愛ゆえに(笑)読めてしまうのである。言葉を換えれば「惰性」ということになるのかもしれない。でも、気がつくと、けっこう続きを楽しみにしている自分がいたりするので、あながち単純に「惰性」と片付けられない何かが、この作品にはあるのかもしれない(買いかぶり過ぎ?)。
 この5巻は、旧「軽シン」のキャラが活躍する場面が多く(耕平ちゃん、復活!)、かつての読者には嬉しい限りだが、ちょっと絵に妙なクセがついてきてしまっているように見えるのが心配だ。